続々・中也と芥川くん

中也「なーんで間違えたんだよ」


芥川「やつがれ、確かにあの棚から薬を取ったはずなのですが…」


中也「あぁ?…てめぇの間違いを認められないってのかぁ?」


芥川「いや、しかし…」




紅葉「広津」


広津「はい。」


紅葉「(ぼそっ)…あの坊主どもは何をやっておるんじゃ?」


広津「(こそっ)どうやら、栄養剤の買い間違いのようで…」


紅葉「…は?栄養…いや。ちょっと待て。広津。…この会話、前にも…」





中也「なんっすか?姐さん」


紅葉「(…ぁ。あの顔、イラついてる)仕事中に小僧二人で何をやっておる?…しかも前に同じようなことをしておったじゃろ?」


中也「前。って…ずいぶん前ですね。違うんです。…いや、違わないか。まぁいいや。あのですね。芥川が以前首領ボスから頼まれた栄養剤。もう一度買ってくることになりまして」


紅葉「…おや、首領殿はその薬を気に入ったのかえ?」


中也「コスパがいいそうです。…まぁ、そうですね、要するに気に入ったんでしょう。それはいいんですよ。先ほど買ってきたんですが、間違えてたんです」


紅葉「ふむ。…で?」


中也「オレがあれほど、キューピーコーワゴールドアルファだからなっ!間違えるなよっ!と、何度も念押ししたのに、…間違えたんです」


芥川「キューピーコーワゴールドアルファを、買ってきてしまいまして」



紅葉「…ん?」

広津「えぇ。…私も最初同じ反応でした」

中也「姐さん、人の話聞いてました?」

紅葉「いや、合ってる…ように聞こえた…」

芥川「要するに、最後に『プレミアム』がものを買ってきてしまったので、効果効能が違うのです」

広津「ネーミングが長すぎる弊害がここにきて出てまして…」

紅葉「それ、もう、むしろねらってるんじゃ…」



樋口「中也さんっ。先輩をいじめないでくださいっ!先輩だって必死で…」


中也「樋口、てめぇは黙ってろ。めんどくせぇ」


芥川「庇われると返って僕が悪いことをしたようではないか」


中也「てめぇの過ちを認めねぇってんだな?」


芥川「僕はしっかりと、キューピーコーワゴールドアルファプレミアムの棚から薬をっ…」



紅葉「(楽しそうじゃな)…だから、首領殿も栄養剤ぐらい自作すればいいものを」


広津「(これ以上放っておくと何らかの抗争に発展しそうな…)なんでも、市販薬のほうが効率的…だとか」



立原「大変ですっ!」


広津「どうした?立原(やっぱり本物の事件でも起きてくれたほうが平和…)」




立原「中也さんっ!それっ!店がひどいんですっ!」



中也「あぁ?」


芥川「…店?」




立原「芥川さんが行ったドラッグストア。医薬品二割引セール中でして。売れ筋商品が品切れした場所に、してやがったんですよっ!」



中也「はぁ?」


芥川「立原、それは本当か?」


立原「はいっ!画像取ってきましたっ!」


広津「…あぁ。これは…パッケージもほとんど似ているし」

紅葉「製薬会社と言い、小売店と言い…もはや確信犯じゃろ」

樋口「…先輩のミスを誘発させるようなことをするなんて…襲撃かけますか?」

紅葉「どこに?」

樋口「製薬会社とか、店とか」


中也「樋口、てめぇ、頭カチ割ってこい」

樋口「…ひ、ひどい」

芥川「許せん…羅生門で店舗だけでも」

中也「お前は脳髄ぶちまけてろ」


立原「あのぉ…」


広津「ん?どうした?」


立原「…芥川さんからレシートと現物受け取ってたんで、返品交換してもらってきてありますよ?」


芥川「え?」

紅葉「…できる子じゃの」

広津「…一番穏便な解決策」


立原「一応、文句も言っておきましたんで。そんな陳列してるから間違えるんじゃんって。謝ってもらいはしましたけれど、あれ、半分確信犯なんで、またやりますよ。自衛するしかないっすね…はい。これ、キューピーコーワゴールドアルファプレミアムです。内容量が多めのヤツしかなかったんで、差額払っておきました」


芥川「…あ。…あぁ。…すまんな」




紅葉「はぁ。。。(深いため息)」


広津「うむ。不要な危機を未然に回避する。…できるようになったな、立原」


銀 「(…立原だけが得した感じが)」




立原「いぇ~い。オレ有能っ!(にこにこ)」

銀 「(…えぇ。。。)」

樋口「先輩っ。落ち込まないでくださいっ!先輩は悪くないんですっ!」

芥川「…慰めるな。…やめろ。」

中也「(間違えて買っても効果効能に大差はないし、実際間違えたことに気づかない可能性もあるなら、売れ筋商品以外の売り上げにもつながって…って、やるな。ムカつくけど)」



今日も、ポートマフィアは平和です。





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