利害の一致
バブみ道日丿宮組
お題:宿命の狂気 制限時間:15分
利害の一致
ホラー映画といえば、まじめに考えるとおかしくなる映画だ。
登場人物たちに異常があったり、へんなことに巻き込まれたりする。そう考えてみると、普通の映画と変わらない。
ただ脅かし要素があるファンタジーに近い。ファンタジーであっても驚かし要素はあるから、ホラーというのは実際にはないのかもしれない。
とはいえ、リアルでへんなことを起こすとなれば狂気に近いだろう。
「……」
僕は小さい頃から生命のあり方ということに興味を抱いてる。手にした生命の数はパンを食べた数ぐらい覚えてない。さすがにまぁ新人の執事たちを手にかけたら、親に感づかれた。
そこからは提供される毎日だ。
死にたいという人はこの世の中では多い。そして殺したいという人もこの世の中では少なくない。
ここで利害の一致が生まれる。闇の世界でが、取引としてそういったことが商売として非公開で行われてる。
僕はサンプルとして毎日そんな人たちを解体してる。
もちろん、政府に気づかれないように。
解体したものはきちんと処理して家畜の餌にして、その家畜を食べるというローテーションを繰り返してる。人肉を食べるよりはいくらかマシのはずだ。
人肉には興味はない。
「ご主人さま、次の被検体はあちらになります」
あらかた解剖し終えたら、専属メイドが隣のベッドを示した。
「今度は老人なんだね」
ベッドの上ですやすやと眠る老人。これから死ぬことになるということは理解してるのだろうが幸せそうな顔をしてる。
幸せな世界で死ねるのであれば、それは天国にも近いだろう。
「最近ちまたで流行ってる細菌は入手できそう?」
「はい、被検体ごとであるならば容易いかと」
この老人で試してみたいところだけど、きっとそれまで持たないだろう。
精神的に死にかけてる人間は、肉体的にも死にやすい。
「なら、この老人には味付けをしてみよう」
愛犬たちが食べるものはより良いものをあげてみたい。親にバレるのはまずいので、なんとか執事たちを言いくるめないといけないが……たぶん大丈夫だ。
「これから言ったものをキッチンから持ってきてーー」
そうして、僕は料理をはじめた。
利害の一致 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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