見知らぬ少女と、僕

バブみ道日丿宮組

お題:いわゆる家 制限時間:15分

見知らぬ少女と、僕

 長い旅行から実家に帰ってみると、

「誰……?」

 見知らぬ少女が両親と生活をしてた。

「お父さんお帰りなさい!」

 そして満面の笑みを浮かべて抱きつかれた。

 親はその様子を黙ってみてるだけで止めようとはしなかった。完全に孫だと思ってるようだ。

 だが、僕にはそんな子作りをする相手などいなかった。ましてや、幼稚園児ほどの子どもを育てた記憶もない。

「お父さんはお父さんだよ?」

 頭にクエスチョンを作ってたからか、少女は見上げるように僕を見た。

「……ちょっとわからないから、一度整理させてもらっていいかな?」

 僕の一言で親がようやく旅行で疲れてるのだと少女を引き離す。


 僕の部屋につくと、見知らぬものがたくさんあった。おそらくあの少女の持ち物だろう。ベッドも使った形跡があるところを見ると、いない間この部屋をおそらく使ってたのだろう。

 なにかないかと少女の持ち物を漁ってると、写真立てを見つけた。

「えっ……?」

 そこには僕と見知らぬ女性と少女が三人で写ってた。

 その日付はーー今から10年後。

 明らかにおかしい数値がそこにはある。

 これは問いただすべきなのだろうか。もしくは聞いてはならないことなのだろうか。

「……」

 なんにしてもこれは手がかりだ。

 早速写真を撮って、政府のデータバンクで検索してみることにした。

 しかし、結果はなにも出てこなかった。

 顔写真は成長ごとに政府が管理するデータバンクに保存される。そこにないということは存在しないということと同義だ。

 なら……この写真は一体何なのだろう。

 作り物にしては出来が良すぎる。

 他になにかないかと探してみても、それらしいものはなにもなかった。

 あとは……やはり本人に聞くしかない。

 果たしてそれは幼稚園児がわかることなのか?

 疑問は疑問を作った。


 そうして、僕は見知らぬ少女ととある街へいくことになるとは思いもしなかった。

 

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見知らぬ少女と、僕 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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