探偵と、警察

バブみ道日丿宮組

お題:昔の罪 制限時間:15分

探偵と、警察

「それで最初の犯人は捕まったの?」

「いや……まだだね。模倣犯ばかりが捕まるばかりで、本当の主犯はこれっぽっちもそれらしい情報はでない」

「死んだっていう説もあるけれど」

「その可能性は僕はないと思うね。模倣犯がたまに本人と間違えるような犯行をする。これは後ろに彼がいると考えていいだろうね」

「で、そういって自宅謹慎を食らったと」

「そうだね。だからこそ、君の家にやってきたわけだよ」

「はぁ……いかに私が探偵として名が知られてるからと言って、休憩所のように使われるのは遺憾だよ」

「食事、洗濯、掃除としてあげてるこちらの身にもなってほしいな」

「……それはだって……できないんだもの。君がやってくれるから私はこうしてきれいな生活ができてる……のは事実だよ」

「そうでしょ。一週間ごとに毎回尋ねるのは君のためでもあるからさ。まぁ異性の僕に下着とか洗わせるのはどうかと思うけど」

「そうね……わかってうからそれ以上何も言わないで。で、新しい情報は見つかったの?」

「あぁどうやら彼は小さな組織を立ち上げたようなんだよね。もちろん、名義とかは全く別の人だから勘違いと他の人は言ってるけども」

「差し押さえとかできないの? ほら、テロ準備罪って」

「できたら君に相談なんかしにこないよ」

「それもそうね。じゃぁまず中から調べようかしらね。今ならクモ型のドローンが内部をくまなく探せるわ」

「またあくどいのを作ったんだね」

「探偵は自室から動かないものだから。足は違う人、例えばあなたなんかが動かすの」

「現場を捜査するのが探偵っぽいのだけど……えっと、これをビルの近くで投げつければいいのかな」

「近ければ近いほど調べるのが楽になるわ。まぁ蜘蛛なんで殺されちゃう場合があるけど」

「蜘蛛一匹入り込めないビルというのも不可思議なことだから、気をつけてね」

「足はつかないよ。誰がやったかが分かる前に溶け消える仕様だから」

「それって危なくないの? 持ってると危なそう」

「特殊な薬が発動するのは私がボタンを押した時だから普段ならそこらへんにいる蜘蛛と違いないわ」

「便利なことで……じゃぁ洗濯もの畳んでおくからキレイにつかってね。あと新しい下着も用意しておいたから」

「私に合うのだったらいいけれど」

「君が外に出てくれるなら一緒についていってあげてもいいけどね」

「何十年後かになりそうだわ」

 そうして、僕らは怪しいビルを操作し始めた。

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探偵と、警察 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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