褒美に欲しい物

バブみ道日丿宮組

お題:狡猾な探偵 制限時間:15分

褒美に欲しい物

 彼が優秀なのか狡猾なのかはわからないが、試練を乗り越えて私の元へやってきたのは探偵の彼だけであった。あとのものは亡くなったとか諦めたと聞いてる。

 それもあってか、彼が戻ってきた時は国がざわついた。カーニバルが発生するほどにその熱は高かった。けれど、試練を出したはずの父は部屋から出てこなかった。

 多額の報酬を与えると謳ったはずなのにおかしな話だ。一国の主が出した難題を超えてきたというのに弱い。父には幼い頃から期待はしてなかったし、尊敬もしてなかった。

 母にも逃げられてるし、メイドにしつけられてもいる。とんだ引きこもりやろうだ。

 しかたなく私が直接彼と会うことになった。

「これが秘宝でございます」

 私は王位をついだわけではないので、とある一室で彼と面会した。

「本物? 偽物と違うの?」

 はいと彼は手渡してきた絵について解説を始めた。

 それは呪文のようで頭の中を文字が跳ねた。スマホというのに最近慣れてきた私であったが、やはり横文字は何を言ってるのかさっぱりだ。

「わかったわ。それでなにが報酬なの?」

「姫様のぱんつが見たいのでございます」

「……ぱんつ? 下着のこと?」

「はい」

 なんていうことをこの人はいうのだろうか。

 生命が失われるかもしれない冒険をしてきて、欲しいものが私の下着? 

 おもしろい。

 こんな面白い人は国中どこを探したってきっと見つからない。

「なら、私の夫になりなさい。それならいつでも下着を見れる環境だわ」

 はいと彼は笑った。


 そこからはドラマの連続であった。

 引きこもってはずの父が怒りに狂って彼を追い回したり、逆にメイドから秘密を知った彼に追い回されたりと、とんだ日々だった。

 王位をつぐ気は彼にはないようなので、私は彼と一緒に国を出た。

 そしていろんな世界を見せてもらった。

 ……たびたび下着を見せたが。

 なんにしても彼との関係は悪くなかった。下着を見たがるのだけは変わらなかったが、探偵としていろいろな秘密を私に教えてくれるのは楽しかった。


 そうして子どもができて、私たちは国へと戻った。

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褒美に欲しい物 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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