告白するような日
バブみ道日丿宮組
お題:壊れかけのプロポーズ 制限時間:15分
告白するような日
世界があと数分で終わるとしたら、人は一体何をするだろう。
この話題はかなりされてる。
1,普段どおりに過ごす。
1,犯罪を起こす。
1,親孝行をする。
1,その時にならなきゃわからない。
1,そんなことにはならない。
1,恋人を作って、性行為を楽しむ。
と、様々な何かが出てる。
「……うぅ」
そんなことは起こらないって答えは、まさにそのとおりで……私はそう思わなきゃいけないくらい緊張してた。手汗がやばいし、呼吸も荒い。
人に声をかけられたら、倒れてしまうかもしれないーーそのくらい焦ってた。
約束の時間はあと30分。
駅前の時計は飾りっ気のない真っ白な円。もう少しロマンチックあふれるものにしてくれたら、少しくらいはムードが出るっていうのに……。
でも、でも……この場所を選んだのは他でもない私。私のチョイスなんだ。
告白なんてはじめてだから、なるべくそれっぽくないところを選ぼうと思ったのも私。だって、呼び出される前にプロポーズされるってわかってたら相手の表情に出たりしない?
「……んっ」
なんか喉が渇いてきた。
さすがに1時間前に約束の場所に来たのは早計だったかもしれない。
かばんになにか入ってないかとがさごそして見ても、喉を潤すようなものはない。あったとしてリップくらいだろうか。あとは乾燥肌用にクリーム。うん、食用じゃない。
近くのコンビニまでおよそ3分。離れるべきだろうか。でも、その間に彼女が来てしまったら待たせてしまうことになる。
「う、うーん……」
どうしよう。
一度崩れたせいなのか、トイレまで行きたくなってきた。
おかしいな……出かける前に4度も行ったのに。
緊張のせいでおもらしなんてしたら、それこそ彼女に嫌われる要因になる。それなら時間があるうちに行ったほうがいいか。
なら、と、足を駅構内へと運ぶ。
緊張しすぎたせいか足が速歩き状態になってたけど、問題なくコンビニにたどり着くことができた。トイレも飲み物も解決。
「ふぅ……」
コンビニから出ると、なんか生き返ったような感覚がした。こんなにコンビニというのは良いものだったろうか……まぁいいか。
不思議と緊張がほぐれてた。足運びも普通。手汗はまだしてるけれど、なんとかいけそうな気がする。
約束の場所に近づくと、
「あっ」
彼女の姿が見えた。
そして問題も見えた。
彼女は友達とその場所にいた。
「ん……」
どうしよう。遊ぶ約束だから、友だちを連れてくるのは間違ってない。その友だちとも私は仲がいいし、遊びとしては普通のことだ。
どうしたものかと、考えた私は、僕にいつのまにか戻ってしまって彼女に結局迷惑をかけてしまうことになるのであった。
告白するような日 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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