東京の穴

バブみ道日丿宮組

お題:東京の洞窟 制限時間:15分

東京の穴

 東京は日本の都市として世界的に有名である。

 いや……一番有名なのは東京に空いてる大きな穴がたくさんある洞窟のことだろうか。

 その穴は昭和時代には既にあり。

 たくさんの調査班が内部を調査しようとした。けれど、中は異次元で、入った人間は謎の奇病にかかり、人智を超えた者へと変貌させた。

 ある意味でその変貌は進歩なのかもしれない。

 日本の技術力は穴より帰ってきた人間によってかなり変わったのだから。

 例えを上げるならば、スマートフォンやら、タブレット、空中浮遊技術など様々なものが当てはまる。

 今の日本を支えてるのは彼らだ。茶の間時のテレビに出てくる1人1人が皆穴からの帰還者だ。

 そんな力を得られるのならばと、誰しもが穴に入りたいと願うのは当然だった。

 けれど、それはごく一部の市民……いわゆる上級国民と呼ばれる階級の人間にしか許されてはいなかった。

 普通の人間は、普通として生きろと日本の政府は言ってるのであった。

「監視はこれで最後か?」

「監視装置のジャマーも持って数分だぞ」

 私たちは、普通の人間で終わりたくなかった。

 だから、穴に入るという願望を持った人間が集まった。

 普通の人間が普通じゃない人間に叶うのかと誰しもが最初に疑問を抱いた。

 そんな中現れたのは、普通じゃない人間の彼であった。

「あとは入るだけだ。ほら、行って来い」

 彼は穴に入る権利は日本人であれば、誰しもが持ってるといって協力をしてくれた。今もこうしてメンバーの一人として参加してくれてる。

 人数としては3人。

 たった3人ではあるけど、夢の一歩にしては十分すぎる数だ。

「入ったら何があるの?」

「それは入ってからのお楽しみだ」

 笑う彼を見ながら、私を含む3人は穴の中へと潜った。

 結果的にいえば、何が変わったかわからなかった。

 それから数日間精密検査などで日を過ごしてると、彼が面会に来ていった。


「なにか変わったかい? なにか病気になったかい? それとも心が変わったかい?」


 そう……穴に入って変わるというのは全てウソであったのだ。政府による支配。それがこの国のやり方であると、その時わかった。

 そうして私たちは、政府に反対するテロ組織の1つを彼とともに立ち上げることになったのであった。

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東京の穴 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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