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「これが私の初恋」


「え。どうなったの?」


「どうもならないわよ。これで終わり」


「そのあと、パパと出会ったんだ?」


「あら」


扉が開く音。

彼が帰ってきた。


「ただいまあ。つかれたあ。ごはんは?」


「まだ食べてないわ」


「よっし。じゃあ今日は手の込んだやつを作ってやりますかあ」


娘。ぎこちなさそうに、ぱぱを見てる。


「どう。私の初恋の人。なかなか良い声でしょ?」


「え。は?」


「この人よ。私の初恋」


「うそでしょ。ぱぱが」


「え。なんのはなし?」


「昔の話をしてたのよ。ぱぱ活当時の」


「あ、ああ。出会った頃のね。はずかしいなあ」


「この人、ぎらぎらしてたのよ。ハードボイルドな感じでね。こう、目がすわってて」


「やめてやめて。はずかしいから。おとうさんはずかしくてばくはつするから」


「おとうさん。まじで。まじでか」

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heard. 昔の話 (短文詩作) 春嵐 @aiot3110

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