04 α

 ベンチ。

 彼がいる。


「ねえ」


 駆け寄って、近づいて。手を握る。


「なにしたの。ねえ」


「ぱぱ活を根絶させた」


 声。不思議な声で。つい、笑ってしまった。


「ほんとに?」


「暇だったんでな」


「うそ」


 目が泳いだ。暇なんかじゃない。きっと、この人は、すごく忙しい。


「よかったな、誰ともセックスしてなくて。憑かれずに済んだ」


「つかれ?」


「捕まらずに、だよ」


 言い間違い?

 違う。


「私も捕まるところだったの?」


「ぱぱ活の程度によっては、な」


「あぶなかったあ」


 あらためて、座り直す。彼の隣。ベンチ。


「あっ。いたた」


 おしり。しまった。


「おい」


 やば。

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