妹にまた婚約者を奪われましたが、今回は計画通りです。~妹に全てを奪われた姉の華麗なる復讐
真理亜
第1話
私は侯爵令嬢です。今年十八歳になります。一つ下の妹が一人居ます。
婚約者は居ません...今は...
かつて私にも婚約者が居ました。十五の時から三年付き合って十八で結婚する予定でしたが...
妹に奪われました...
妹は昔から私の物を何でも欲しがります。ぬいぐるみ、アクセサリー、小物、ドレス、化粧品、etc,etc...あげたらキリがありません...
当然、私は拒否します。だってそうでしょう? 妹は私から奪ったらそれで満足なのか、急に興味を失うんです。私の大のお気に入りだったクマのぬいぐるみが、屋敷の裏庭に雨曝しになって捨てられていたのを見た時は悲しくて涙が出ました...
でも、妹にだけは甘い両親は、
「あなたはお姉さんなんだから」「将来、侯爵家を継ぐ身なんだから」「妹の我が儘くらい許してあげなさい」
この一点張りです...
息子の居ない我が家にとって、長子である私が婿を取って家を継ぐのは当然です。妹は何れお嫁に行く身だからそれまでは好きにやらせてあげたい。それは分かっているんですが、何事にも限度というものがあるでしょう。
欲しがれば何でも手に入ると思い込んで、我が儘放題に育った娘に良縁なんか来るのでしょうか? 侯爵令嬢として恥ずかしいと思わないのでしょうか? 何度も両親に苦言を呈したのですが、その度に、
「まあまあ、あんな我が儘も子供の内だけだから」
と絆され、私は泣く泣く妹に奪われ続ける日々を過ごしていました...
◇◇◇
両親が妹だけを可愛がるのは、妹の容姿も関係しています。妹は父に似て金髪碧眼の可愛らしい顔立ち、私は母に似て黒髪黒目のキツイ顔立ち。
父は若い頃、かなりの美形でオマケに侯爵家の嫡男という事もあり、当時貴族子女の間ではかなりの争奪戦が繰り広げられたそうです。その争奪戦を勝ち抜き見事父をGETした母は、今でも父にぞっこんです。
母にしてみりゃその父にそっくりな容姿の妹はそれはそれは可愛いでしょうね。そして父も自分に良く似た容姿の妹はそりゃ可愛いでしょうね。じゃあ母にそっくりな容姿の私は? まぁ推して知るべしですよね...
◇◇◇
一度試しに両親に頼んで全く同じ物を二つ用意して貰った事があります。結果は...自分が貰った物には目もくれず、私の物を寄越せと言って来ました。
...これはもう病気なんじゃないでしょうか...
どうやら妹の頭の中では「姉から奪った物」だけに価値を感じるようです。これは早目に矯正させないと私のみならず妹の為にもならないでしょう。そう両親に提言したのですが、
「まあまあ...」
以下同文...
...私は説得するのを諦めました...
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