TS宇宙人は異世界転生者と出会い銀河を救う

ヤマグチ

プロローグ

お姫様の救出

見渡す限りの密林──

メキメキと木々がなぎ倒され大きな音が響き渡る。

音のする方向には日本神話等でも登場する巨大なヘビ、いわゆる大蛇と呼ばれる生物が何かを追っていた。


「おい!本当にあいつの腹の中から不時着した宇宙船の反応があるんだろうな!!」

大蛇が追ってるいるらしい先から聞こえてきたのは少年の声。

そこにいたのはツンツン頭の銀髪碧眼、パワードスーツのような物を全身に纏った14歳程の美少年だった。

彼は通信で誰かと話しているようだ。


「ああ間違いないぞシャノン。成層圏でそいつを焼く為のレーザーのパワーチャージしてっからもうちょい持ちこたえてくれ。仮にも人類最強種のグランディオなら楽勝だろ」

シャノンと呼ばれた少年は怪訝な顔をしながら反転し、大蛇と対峙した。


即座に大蛇は少年のいる場所に突っ込むが、その時には普通の人間には不可能な遥か上空に跳躍していた。

すると重力を操ったかのように空中に停滞し、腕に着けた機械的なグローブから眩い閃光が発生する。

その後、ゴムを引っ張って離したような動きで少年は大蛇へと物凄い速さで下降して大蛇へ突進───その瞬間大蛇の全身に電流が走り、木々をなぎ倒しながら転倒、気絶した。

「今だモッズ!」「あいよ丁度チャージ完了したぜ」

二人の掛け合いと共に天から光の柱が大蛇へと降り注ぎ、身を焦がしていく。


数分後、灰になった大蛇の中に球体の機械、いわゆる脱出ポッドのような物が残っていた。

「はぁ…未開の星に不時着したお姫様を回収するだけの簡単な任務だったはずなのによ…てか中のお姫様生きてるよな?」


宇宙船は大気圏突入を耐えられるので、熱には強いはず。

少年は慎重にポッドのハッチを開ける。

そこにいたのは、いかにもお姫様がきてそうな凹凸が分かりやすい露出度の高いドレスを着た、色白で人形のように整った顔。

金髪を後ろに結んだツインテールで、とてもスタイル良い17歳位の美少女であった。


少女は気を失っていたが、日の光を浴びて目を覚し──その瞬間、目の前の少年が言い放つ


「ち…乳でけー凄いエロい体だな」




ここは地球から数百万光年も離れたとある銀河片隅にある木々が生い茂る未開の星。


王族の少女と軍属の少年の出会いはそれはもう最悪なものだった。

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