『火の島』 下の中の下
やましん(テンパー)
『火の島』 下の中の下
『おわ!』
焼き鳥おじさんが、投げ下ろされている物体に触れてしまい、転落したのです。
『あららら。大変だあ。』
ぼくはあえぎました。
しかし、ねこママは、いたく冷静に言ったのです。
『大丈夫にゃ。スーツ、着てるから、怪我もしないにゃ。ただ、最初からやり直しになるにゃんこ。戦線離脱にゃ。』
『はああ。おーい。おじさん、だいじょぶかあ?』
ぼくは、無線で、呼び掛けました。
すると、返事が帰ってきたのです。
『大丈夫だよ。しかし、パトカーがあるとこまで、落ちた。間に合わないから、任せる。ここから、援護する。』
『了解。…………て、援護する?』
『あのおじさんは、ただ者ではないにゃん。地球では、パルチザンだったらしいにゃ。戦争のプロにゃ。ただし、年取って、ちょっと、動きが悪くなって、戦うのは、難しくなったらしいにゃ。』
しかし、岩陰に隠れたまま、ぼくたちは、動きが取れなくなっていた。
火山の頂上付近からは、岩のような、しかし、金属のようにも見える塊が、激しく降り続いていました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
焼き鳥おじさんは、パトカーのトランクにしまっておいた、折り畳み式の屋台の中から、バーナー部分を取り出した。
それから、小型コンピューターで、火山の頂上付近を目標に設定した。
そうしておいて、崖に張りついている仲間に連絡したのだ。
『ちょっと、危ないことします。絶対に動かないで。見上げることも禁止。いきます。』
焼き鳥おじさんは、スイッチを押した。
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『火の島』 下の中の下 やましん(テンパー) @yamashin-2
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