メサイアコンプレックスだと思われる元ライフセイバーの彼は、どう裁かれるのでしょうね。
同じような精神状態にある主人公との対比が、隠れた軸になっていて興味深かったです。恐らくそう意図されて書かれてはいないと思いますが。
常に現実から一歩引いた目線で、霧がかかっているような風景を見ている主人公。物語の大半を占める滲んだ主観の中へ、報道などの「事実」によって光が射し込むと、より鬱屈としたものがハッキリと映りますね。

何度か主人公と元ライフセイバーの青年が対峙しますが、繰り返しあるシーンなので、もう少し行間広めの方が、読者が勝手に恐怖心やら不穏な空気を膨らませて感じられるかもしれません。この辺は読み手の好みでしょうけど。

追記
※行間を読む、という言葉があります。意味は一般的に、文章には直接表現されていない筆者の真意をくみとる、ということです。
行間を広く、と言えば、状況や心情を細かく描かず、想像して読む余地を与える、という意味です。
混乱を与えてしまい申し訳ありませんでした。

とても面白かったです。
細かな情景の描写で夜の海かとても神秘的に感じる一方、彼の少し荒い口調が現実に引き戻すようで、話の展開がサスペンス風なのでとてもマッチしていました。

こんにちは。

へー、ホヌってウミガメって言う意味があるんですね。海の守り神。心温まる良い作品でした。