たんたかたん

ほっけ

設定資料

―世界観―

※ネタバレ要素が含まれているのでご注意ください

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◆◆国◆◆

【花国】

 舞台  :大正~昭和初期を参考

 国土面積:およそ510平方キロメートル

 国民性 :働き者

 国長  :敦盛→木蓮

 始祖  :節黒仙翁

 能力  :術

▶物語の最初の舞台。緑豊かな小さな国。

▶暖かい季節には緑成と立花の色に染まり、涼しい季節には実りと収穫の鮮やかな色に彩られる美しい花の都。その昔、他国の詩人が「花咲きほこる麗しの優里」と唄ったらしい。 月下曰わく、穏やかで優しい花国の風土は国長の敦盛の気質をそのまま反映させたかのようだ、とのこと。

▶農業が盛んで、名産品は花の香りがするお茶。様々な薬草が育つので薬も有名。

▶鬼神一族だったが、敦盛が国長となってからは他民族の移住により、若い世代で生粋の血を持つ者は少なくなった。術を得意とする一族でもあったが、混血である若い世代はその力がほとんど無く、体力も平凡となった。

▶身体的な特徴として、生粋の花国の者は髪の色が黒曜、瞳の色は黒色。体力に優れた特徴も持つ。しかし、上記の理由からその特徴を持つ者も少なくなっている。

▶国全体を国長の強力な結界で囲っており、国長になった者は結界守るため、国外に出ることができない。


【月国】

 舞台  :江戸時代を参考

 国土面積:およそ380平方キロメートル

 国民性 :矜持が高い

 国長  :更待→太陰

 始祖  :寝待

 能力  :変幻自在

▶山々に囲まれた地にある、非常に小さな国。

▶鉱物資源が豊富な土地。そのせいか水が硬く、慣れない他国の者が飲むと腹を壊すことがある。

▶人狼一族。同族愛が強い古民族で、他族の血が混ざるのを受け入れない。故に人種差別が未だ色濃く残っている。

▶身体的な特徴として、白銀色の髪と碧い瞳、褐色の肌。腕力に優れ、生命力が強い。臭覚も優れており、中には匂いで危険を察知できる者もいる。

▶変幻自在という大変便利な能力を持っているが、体に負担が掛かるため多用できないのが難点。

▶月国城は花国でいうところの官邸と、公邸、その他、住み込みの家人達の住居を一つの城内に収めた大きな城。地下には牢、敷地内には厩舎も設けられている。民からはお屋敷と言われ、贅沢な作りを揶揄されている。


【雪国】

 舞台  :平安時代を参考

 国土面積:およそ1800平方キロメートル

 国民性 :平和主義

 国長  :霖→時雨

 始祖  :霖

 能力  :魅了

▶一年中、雪が降る小さな国。三カ国の中では一番大きく、歴史が古い国。

▶雪深い雪国の地はあまり植物が育たず、資源となる物も少ないので出稼ぎに出る者が多い。つまり、過疎っている。貿易のほとんどは花国と交わしており、友好関係にある。国長同士も仲が良く、花国長が言魂で飛べるよう、術の目印を置いている唯一の国。

▶吸血一族で、動物の血液を主食とし、不老不死に近い命を生きていた一族。国長の霖により吸血行為が全面的に禁止された現在では、普通の食事をしている。食が変わってからは穏やかに有老有死となっていった。

▶吸血をしなくなったためか、酒や煙草など、刺激の強い嗜好品を好む者が多い。

▶ 身体的特徴として、肌も髪も色素が薄く、銀の髪と紅い瞳。男も女も美麗な容姿をしている。

▶御所は巨大な敷地内に、官邸、公邸、家人達の住居を構えた小さな都のような場所。


【風国】

▶花国と国交のある国で関係は良好。

▶海に囲まれた国で、漁業が盛ん。

▶作中には公館しか登場しない。


【鳥国】

▶花国と国交のある国。

▶戦後の復興が60年以上経った今も終わらない、貧しい国。

▶作中には文章でのみ登場。


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◆◆花国の術◆◆

▶術とは

 花国の特有能力で、花国の血がなければ扱えない能力。純血の花国の民は術力が高いが、少しでも血が混ざるとその能力は衰える。余談だが、紫苑と木蓮は研究熱心なため、オリジナルの術を開発しているが、二人の術は癖が強いので他の者が使えないという欠点がある。また、熱盛の開発した術も術力を多大に要するため、他の者が使うのは困難。

▶印とは

 両手10指で印を組むことで術が発動する。

▶詠唱とは

 集中する時に用いるので必ずしも必要なものではない。大きな術を使う時は詠唱も長くなる。

▶陣とは

 陣を敷くと術力が増し、さらに術が強力になる。

▶封印術とは

 その名の通り、封印する術。封じるものは様々。術としては高度。封印したという証として、術者の花紋を対象に刻印する。

▶守護術とは

 対象を守る術で高度な術。守護しているという証として、術者の花紋を対象に刻印する。余談だが、紫苑が月下に施した守護術は、彼の術力が少ないため、中途半端な形で彼女に施された。

▶言魂とは

 術者の魂を具現化し、離れた土地に飛ぶ高度な術で、距離や術力によって具現化した時の姿が変化する。欠点としては、術の使用中は術者の体は魂が抜け、まさに脱け殻になること。術の目印が無い所には飛べないため、雪国のように予め目印を付けなくてはならないこと。

(あまりにもご都合主義な術なので、このような制限を設定しました byほっけ)

▶結界術とは

 作中では主に、花国を覆うものとして登場しているが、人や物など、対象は様々。高度な術で、さらに国全体を覆う程の大きな結界を一人で四六時中維持できるのは、現存する花国の者では術力の高い熱盛、露草、木蓮の三人に限られる。

▶目眩ましの術

 紫苑が少年の頃、スケベ心を炸裂させて編み出した術。僅かな時間だが姿を消すことができる。しかし女風呂を覗くために使用したため、以後、熱盛から使用を禁止されている。

▶目眩ましの術・改良版

 目眩ましの術を改良して紫苑が編み出した術。一瞬だけ自らを発光させる。ただそれだけの術だが光度が強いため、文字通り、相手の目が眩む。

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◆◆花国の暮らし◆◆

【月下の家】

▶間取り

 長屋住宅の角部屋。2DK。6畳二間と、4.5畳のダイニングキッチン、風呂と洗面所兼、脱衣所もあるが、トイレは無い。

▶家賃

 立地と間取りには恵まれているが築年数が古いため、家賃はお手頃で、月下の月給の4分1程。ちなみに契約者は熱盛。


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【生活】

▶冷蔵庫

 2ドアで、上の段に氷を入れ、下の段を冷やす。氷屋が自転車に乗り、氷を売って歩く。

▶焜炉台

 ガスが普及しているのでガス焜炉。二つ口。ちなみに炊飯器もガス炊飯器。

▶電気

 電気はあるが料金が高く、安定供給もまだされていないため、裕福な家以外、多くの家ではランプを使っている。

▶風呂

 家の中に風呂釜を据え置きし、煙突を屋外に伸ばして煙を逃す作り。薪と火でお湯を沸かす。

▶厠

 トイレのこと。汲み取り式の所謂ぼっとん便所。裕福な家には一家に一つは室内に設置されているが、換気が難しいため、一般家庭では野外に設置されているケースが多い。長屋住宅などにはトイレ自体がなく、野外にある共同トイレを使用している。


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【その他】

▶学舎

 5歳から10歳の子供が通う無料の学問施設。基本的に4月からの入学だが、中途入学も可能。ちなみに蓮は一年遅れの中途入学。義務教育ではないので、通学するかは家庭によって自由。

▶官吏の試問

 花国で官吏になるには四つの試験が必要。

 ①筆記試験。推薦状が必要。そして12月までに願書を出願し、次の年の3月1日に試験がある。官吏に必要な専門知識を五百問解答し、定められた点数以上で合格となる。合格すれば官吏候補生となれるが、この時点で受験者の八割がふるい落とされる。

 ②口頭試験。面接のようなもの。面接官は国長、左大臣、右大臣の三人。候補生の強い意志や忠誠心を見るため、渇や罵りが飛ぶ。この時点で彼らに屈し、合格を辞退する者もいる。

 ③現役官吏の下で約一年間の修行。担当教官は毎年何人かの候補がいて、筆記試験後に割り当てられる。候補生には900時間の講習と、100時間の模擬公務、5回以上の公務補佐が義務付けられている。それ以外は担当教官に一任されており、教官によって修行内容が異なる。一年間の修行後、最終的な合否の判定は担当教官が行う。

 ④実践試問。担当教官の監視下で本物の公務を遂行する。一般的に実践試問では比較的軽い内容の任務が多い。この試験を合格すれば、4月1日に官吏となった証に国長から花紋をもらえる。月下の場合、月国滞在が長引いたので、もし合格していても4月1日には間に合わなかったと思われる。

 余談だが官吏候補生も少ないなりにちゃんと給料が出て、盆、暮れ、正月のまとまった休暇もある。

▶花国官邸

 国長や官吏達の執務室、広間や客間、待機室、資料室等が必要最低限に備えられており、官吏、国長共に私邸から通っている。

▶花紋

 花国官邸に籍を置く者に花国長から与えられる花を象った紋章。個人に与えられるので、家族であってもそれぞれ違う花紋を持つ。花紋の象徴とされるのは毒を持つ花。毒に負けるな、毒であっても美しく咲け、毒を以て毒を制す等の意味が込められている。

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