2章 謎の教団編(仮)

第44話 冒険者狩りの噂

 スタンピードから半年が経過した。この半年でレベルと能力値だけを表示することが可能な『鑑定の水晶』と呼ばれる魔道具が国の研究機関によって開発された。評価方法が『手合わせだけだと試験官の当たりはずれで結果が変わるのでは?』と言われていた昇格試験に一定のレベル以上ではないといけないという条件が増えた。その条件とは以下の通りだ。

 Fランク0~10

 Eランク11~20

 Dランク21~30

 Cランク31~50

 Bランク51~70

 Aランク71~90

 Sランク91~


 ダンジョンが現れてからほぼ一年近くたった今Cランク冒険者はそれなりに増えてきたが、Bランクが500人以上、Aランクは3人らしい。上級冒険者が少ない理由はたいていの人は4人以上でパーティーを組んでダンジョンに潜っているので経験値は4等分となり、なかなかレベルが上がりにくいことが原因だ。

 Bランク以上の人たちは全て一般の人で冒険者を仕事にし、朝から晩までダンジョンに潜り続けている人たちだ。(ダンジョン攻略とマップ作製をしている特殊部隊と自衛隊の人にはAランク級の人がいるらしいが国家機密ということで人数も明かされていない)


 因みに俺と理沙のレベルは58になった。祐樹が魔物を何体召喚しても経験値は理沙と2等分されるみたいで、100の経験値を入手したとすれば祐樹と召喚した魔物に50、理沙に50となる。さらにスキルレベルも上がり『このスキルってマジチートだわ』と2人で声に出てしまうぐらいに成長した。


 名前 如月 祐樹 

 種族 人間 

 レベル 58

 HP  318

 MP 286

 物攻 307

 魔攻 274

 防御 295

 スキル

 棍棒術Lv.1 剣術Lv.6 鑑定Lv.7 計算Lv.6 回復魔法Lv.4 気配感知Lv.3

 剣術ダメージ上昇(小)Lv.7

 ユニークスキル

 魔物収集家Lv.5


 名前 吉田 理沙 

 種族 人間 

 レベル 58

 HP  305

 MP  345

 物攻 50

 魔攻 350

 防御 265

 スキル

 火魔法Lv.4 水魔法Lv. 風魔法Lv.4 氷魔法Lv.6 短剣術Lv.3

 ユニークスキル

 魔女Lv.4


 俺は新たに半径3m以内にいる生物の気配を感じることができる『気配察知』と剣・刀で攻撃した時に威力が少し上がる『剣術ダメージ上昇(小)』を手に入れた。魔物収集家は6体から48体の魔物を同時召喚可能になり、新たに魔物を合成してレベルを上げる『魔物強化』と別の魔物のスキルを選択した魔物に覚えさせる『スキル付与』を覚えた。

 理沙は、少しでも近接戦闘ができるようにと短剣を使い戦うようになった。威力のある攻撃とは言えないためダメージは少ないが自衛ができる。


 そして、いつも通り東京駅のダンジョンに潜って人稼ぎしてギルドに換金に向かったときに変な噂を聞くことになった。


「西野さん、換金お願いします」


「今日もご苦労様です。換金ですね。こちらの籠に入れてください」

 B級以上の冒険者は上級者専用の受付が利用できるので並ぶ必要が無くなった。西野さんは上級者専用の担当で通っている内に仲良くなった美人なお姉さんだ。


「今日も多いですね」


「56階層でレベル上げをしているから、結構な数になるんですよね」


「56階層ですか。高校生で56階層に潜っている人は如月さんと吉田さんだけしかいないと思いますよ。お二人って本当に無茶苦茶ですよ」

 西野さんも2人の凄さに驚く。


「まぁ、レアな存在だと私も思うわ。でも、今のままだと60階層のボスは厳しいから早くレベルを上げて上に行きたいのよ」

 理沙も自分たち以外にダンジョンガチ勢がいるとは思っていなかったが、ダンジョンに潜っている方が楽しいので早くレベル上げをしたいのだ。


「それはそうと最近物騒な噂がギルド内で流れているんですけど知ってますか?」


「物騒な噂って何ですか?」「興味深いわね……」

 2人は噂に食いついた。


「なんでも、ダンジョン内で冒険者を殺している人がいるらしいんですよ。ダンジョン内で死ぬと死体と荷物は吸収されてしまうじゃないですか。だから、確証は無いんですけど殺害現場を見たという冒険者の方がいると聞いたんですよ。物騒ですよね」

 西野さんは非道な行いに恐怖を感じて身震いをしていた。


「それは物騒ね…」「俺たちも気を付けないと襲われるかもしれないな」

 ダンジョン内で殺人を繰り返す人がいることに不快感を露わにした。


「換金ができました。合計で38万円です。ご確認ください」


「「ありがとうございます」」

 お金を受け取った二人は帰り道で、人と殺し合うことを視野に入れなければいけないと覚悟を決めた。じゃないとこっちがやられてしまうのだ。


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