第41話 スタンピード後の日本の様子
駅周辺の敵を一掃した祐樹と理沙が怪我人の治療と救助活動がひと段落したのでいると、一緒に戦っていたお兄さんが話しかけてきた。
「先は本当にありがとう。君たちが来てくれて助かったよ。私たちだけでは負傷者を庇いながらあの数を相手にするのはきつかったからね。おっと、まだ名前を名乗ってなかった。私は冒険者ギルドで試験官をしている本田陸道という」
年齢は30代ぐらいのがっちりした男の人は冒険者ギルドの職員だった。
「俺は如月祐樹といいます」「私は吉田理沙といいます」
「うん?如月と吉田どこかで聞いたような……。あっ、そうだそうだ沢渡さんが前に言っていた将来有望な2人組の高校生か!」
本田さんは二人の事かなり褒めていたので本田も記憶の中に残っていたのだ。
「俺たちのことそんなに褒めてくれていたんですか?」
「あの人は試験官の中でも一番強い人でね。滅多に人を褒める人じゃないんだけど、上機嫌に話していたからね」
「そうだったんですね」
「私もこの目で見て分かったよ。君たち二人はCランクに匹敵すると思うんだ。だから、表向きには知られていないんだけど、ギルド職員が実力があると思われる場合は推薦という形で昇格することが可能なんだけどどうかな?」
「「その話受けさせてください」」
2人はありがたい申し入れだったので即答で返事をした。
「これで決まりだね。今はスタンピードの後処理でバタついているから無理なんだけど、後日冒険者ギルドの受付で私の推薦状を渡してくれ。そうしたら、手続してもらえるから」
本田さんはカバンから用紙を取り出して記入して封筒に入れて手渡してくれた。
「ありがとうございます」
「いや、いや、気にしないで。私は次の現場に行かないといけないからこれで失敬するよ」
本田さんは部下の人らしき人に声をかけて走って行ってしまった。そして、祐樹と理沙も学校に戻ると帰宅して良いとのことだったので家に帰った。因みに家の周辺はスタンピードに巻き込まれることなく無事だった。
今回のスタンピードによる全国の被害は死者12300人、負傷者19900人、被害総額は1兆3610億円となった。スタンピードは47都道府県のすべてで発生した訳ではない。山の中、廃墟、街の人目に付かない場所に生まれた未発見ダンジョン、人が意図的に隠した隠しダンジョンから魔物が溢れ出したことで被害が大きくなった。
このような事態を深刻に捉えた日本政府はダンジョンを見つけた場合速やかに警察もしくは役所に報告すること法律で義務化することになった。違反者には30年未満の懲役刑、もしくは3000万円の罰金が科せられるという文言が新たに追加された。
今回見つかったダンジョンは78か所。これらダンジョンは若かったこともありうま味が無かったので、全てのダンジョンコアが破壊された。
この事件以来ダンジョンを私利私欲のために独占しようという者はいなくなり、人々にダンジョンの恐ろしさを思い知らせるきっかけになった。
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