第18話 どうかしましたか?
回復魔法を手に入れたことで気分のいい祐樹がニコニコ顔で教室に入ってきたので友達は何事かと思い聞いてきた。
「おっす、何かいいことでもあったのか?」
「おはよう、確かに鼻歌なんか歌ったりして怪しいな」
1番初めに声をかけてきたのが
「おはよう、ここだけの話なんだけど。昨日ダンジョンでいい物を手に入れたんだ」
「な~んだ、ダンジョンか。てっきり彼女でもできたのかと思ったのにな」
「僕もそれだと思ってたから、それをネタにいじりまくったろうと思ってたのに残念(笑)」
「なんだよ。彼女じゃないだけでそんなテンション下がるかい(笑)」
先までとは打って変わって興味なさそうにする2人に祐樹がツッコんだ。
「2人はダンジョンには興味ないの?」
「放課後は部活があるし。土日は試合だったりと忙しいから、まだギルドカードを取っていないから行けないんだよね」
「ダンジョンって死と隣り合わせていうじゃん。それが怖くて行く気になれないんだよね」
和也は部活で忙しい、悟は怖いという理由で行っていないようだが、興味が無いわけではないらしい。
「まぁ、俺も無理に行けとは言わないけど、敵を倒してレベルが上がると前とは比べ物にならないほど体が動くようになるぞ。俺なんかリンゴを片手で握りつぶせるようになったぞ」
「マジか!いや、祐樹、流石にウソは駄目だぞ」
「マジか!本ばっかり読んでなよなよしていた祐樹がリンゴを握り潰せるようになるとか、ダンジョンヤバすぎ」
2人とかなり驚いていたが茶化してきたので本当だと伝える。
「マジ、マジ、ウソじゃないから(笑)」
そうこうしているとチャイムが鳴り担任の先生が教室に入って来て朝礼が始まった。
祐樹が先生を見て話を聞いていたが誰かに見られているような視線を感じたので、キョロキョロと見渡すと一人の女子がこちらをガン見していた。祐樹は内心かなり驚いた。
『えっ、吉田さんがめっちゃ見てくるんですけど……。俺何かしたかな?吉田さんとは話したこともあまりないし関りなんてないはずなんだけど」
黒髪ロングで色白で美しくクールビューティーと言われていて、学校一の美女として名高い吉田理沙さんが祐樹を見てくる理由が分からず混乱していた。吉田さんは、とても人気があり告白をされることが多いのだがことごとく断っており、彼女に玉砕された男子は数知れず。そんな彼女が俺を見ているのだ男子諸君なら焦る気持ちを分かってくれるはずだ。
朝礼が終わると吉田さんは席を立ち俺の方に向かってきてこういった。
「放課後話があるから、私と一緒に来て」
これだけを言い残して席に戻っていった。
「おい、お前吉田さんとはどういう関係なんだよ?」「やっぱり、彼女なのか?」
和也と悟が詰め寄ってきたが本気で訳が分からないので否定する。
「俺も訳が分からないんだけど……」
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