第15話 巣鴨の商店街は変わってしまった……①
「てっきり、東京駅ダンジョンと同じように周辺を買い取っていると思っていたけどここは違うんだ」
政府は一番最初に被害が出た東京駅以外にダンジョンが現れるとは思っていなかったのだ。今やダンジョンは698か所確認されており、これをすべて買い取ってしまえば国を運営する資金が底をついてしまう。だが、地元の人たちはダンジョンを求めやって来た冒険者に対する商売で儲かっていたため、危険を感じて怯えるどころか感謝しているぐらいだ。巣鴨にはおばあちゃんの原宿と呼ばれる商店街があり、ご年配の方が買い物をする場所が今ではすっかり様変わりしていた。なんと、大きなリュックを背負い、剣、槍、弓、斧などバリエーション豊かな武器を持ち歩くおじいちゃん、おばあちゃんで溢れ返っていた。
「辺りを見渡すだけでもお年寄りばっかり。日本のおじいちゃん、おばあちゃん元気すぎだろ」
全国のお年寄りたちはレベルアップによる恩恵で衰えた肉体に力がみなぎることを知ってしまった。そして、ゲームのような世界観であるがゆえにとても楽しいのだ。特に宝箱を見つけたときなんて一番ワクワクすると言っているのだ。高齢者恐るべし。これが長寿の秘密なのかもしれない。
「取り敢えず早めにダンジョンに入ってしまってゴブリンメイジを探すのが第一目標だな。他にもゴブリンの進化種がいれば積極に狩りに行く方針で行こう」
巣鴨のダンジョンは迷宮型のダンジョンだった。迷宮型のダンジョンは10階層までは簡単な迷路だが11階層以降は距離も広さもけた違いになり、トラップもちらほらみられるらしい。だが、既に地図が作成されており全25階層5000円で販売されていたので購入済みである。
浅い階層には既に多くの人がおり、モンスターが湧けばすぐに倒されてしまうため、敵に遭遇することはなく順調に10階層のボス部屋まで来ていた。ボスはスライムの進化種ビッグスライム一匹が部屋の中央にいた。
種族 ビッグスライム
レベル 10
HP 75
MP 0
物攻 50
魔攻 0
防御 40
スキル
消化Lv.2
「ここのボスはビッグスライムか。確かあいつの弱点は体の中央にある核を破壊すればいいんだったな」
祐樹はゴブ一、ゴブ次、もやもやライオンの三体を召喚して指示をだす。
「あいつの核は俺が背後に回って破壊するからゴブ一とゴブ次は敵を引き付けてくれ。もやもやライオンは咆哮を使って動きを封じて欲しい」
祐樹の作戦を理解した三体はすぐさま行動を開始した。まず動いたのはもやもやライオンだ。大きな雄叫びを上げスライムが怯む。
その間に俺たちは3手に分かれて敵に近付く。怯みが解けたスライムは大きくジャンプしゴブ次を踏みつぶそうとするが、ゴブ次は綺麗に避けた。祐樹は着地と同時に剣を核目掛けてぶっ刺す。
スライムはピギーーと悲鳴を上げて消滅し、ドロップ品のスライムゼリー(大)が残っていた。これを回収した祐樹は次の階層へと向かった。
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