行方不明王女とレリルール学園
第7話レリルール王都と少年と双子
ー現在ー
「「ここが王都⁉︎」」
ルシオラは黒縁メガネをかけた瑠璃色の瞳を驚きで瞬かせ、アウラは瞳の色と火傷の痕を隠すために頭から青いストールを被り、ルシオラにくっ付いたまま固まっていた。
2人が立っている場所は馬車が走る巨大な道路と歩道の境に木々が整列してるように植えられており、歩道の脇に所狭しに看板がある建物、お店がある区域らしく買い物に訪れた人々でごった返していた。
「「今日は祭りかな?これからどうすればいいの?」」
2人の疑問に答える人は誰もいない。アウラがルシオラが背負っているリュックに付いてる小さなポケットのチャックを開けて、先日届いた手紙を取り出す。
「ええと、『レリルール学園』から迎えの人が来るって」
この手紙は祖母ルクルが亡くなったあと、レリルール王国で最大の教育機関『レリルール学園』の学園長から『次期”アルカヌム“選定試験』に関する手紙が送られてきた。
内容を要約すると『至急『レリルール学園』に来て欲しい』ことだった。
「待ち合わせ場所は噴水広場って書いてあるけど…」
(どうせなら門がよかった)
「噴水広場ってどこ?」
アウラがクエスチョンマークを出しながら頭を傾げる。
手紙に簡単な地図が書かれているが……書かれているが……東の門から入って進んで来たから…今はどこ?
「王宮ぐらいしか分からないね」
「うん」
レリルール王都で1番大きく目立つ建物のレリルール王宮しか分からなかった。分かると言ってもあのカラフルな建物が王宮!ぐらいなレベルで、行き方はサッパリだ。
「うん、誰かに聞こう」
「誰に聞こう?」
アウラはキョロキョロと辺りを見渡す、道行く人々はとても忙しそうで、声をかけるにかけれない状態だった。
「どうしたの?」
アウラとルシオラが声がした方、後ろへ振り向き声の主を確認すると驚愕した。
「道に迷っているの?」
光を浴びて輝く金髪の癖毛と裕福な家の子息らしい格好をしているが、王家の血を引く証、
アウラとルシオラはルクルから『アウラが15年前のニゲル宮放火で行方不明のアウローラ王女』だと聞かされていたが。
「「………………」」
このタイミングで
「どうする?」
アウラがルシオラの腕をギュッと力強く握りしめ誰にも聞こうえないようルシオラの耳元で
「………すみません。
噴水広場に行きたいんですか道が分からなくて」
ルシオラは少し悩んでアウラを庇うように前に出て少年に道を尋ねる。
アウラはルシオラの後ろで心配そうに眉を八の字にして見つめていたが、そんなアウラに気付いた少年が哀しそうに微笑んでいる事は誰も気付かなかった。
「僕も噴水広場へ行く予定なので一緒に行きましょう」
「いいんですか?」
「はい」
少年は微笑む。
「ありがとうございます」
アウラはルシオラの後ろからお礼を言って、ルシオラの後ろへ隠れてしまった。
「すみません。人見知りなので」
「いいえ。噴水広場はこちらです」
ーーーー
「ここが噴水広場です」
「「ここまでありがとうございます」」
「どういたしまして、
アウラは相変わらずルシオラの後ろに隠れたままで、少年はカラフルな建物、王宮が見える方へ歩いて行った。
到着した場所は中央に巨大な噴水がある円状の広場で、パフォーマンスしてる大道芸や串に刺さった肉やフルーツジュースを売ってる露店、待ち合わせスポットなのか誰かと待ち合わせっぽい人が…首もとに赤いリボンが付いた黒いローブを羽織って隙間から見える…あれは制服?に身を包んだ男女と目線が合った。
「「あの人達じゃない」」
アウラと女性の声が重なった。
女性は見た目はアウラ達と同じ年頃で、淡いピンク色の瞳と髪を頭のサイドで編み込みして星と月の髪飾りで留めて肩ぐらいで内側にくるんとカールしてる。
「先代“アルカヌム”ルクル•アニムスのお身内の方ですか?」
一緒にいる男性が聞いてきた。
こちらも淡いピンク色の瞳と髪に星と月の髪飾りが留めてあり内側からくるんとカールしてる。女性と似てるので兄妹だろうか。
「はい。孫のルシオラ•アニムスと血の繋がらない
「アウラ•アニムスです。貴方達は?」
アウラはルシオラの後ろから恐る恐る尋ねた。アウラの人見知りは筋金入りでルシオラは困ったように微笑む。
「申し遅れました。私はフィリア•ディアルナと双子の弟のフィリオです。
レリルール学園の生徒で、学園長から貴女達を案内するよう頼まれました」
「
「ディアルナって占い師や預言者を多く輩出してるディアルナ家ですか?」
「ええ」
ルシオラの問いにフィリアが頷く。
「あの」
「アウラ?」
「ルームメイトってどういうことですか⁇」
次期“アルカヌム”選抜試験のことで来たのにルームメイト?
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