今日の日

お題：今日のセリフ 制限時間：15分

今日の日

「おはよう」

「……おは、よう？」

「そう、おはようだよ。私今出席！」

「カタゴトでどうしたん……？」

「いやぁさぁ、眠そうにしてたから、私のことわかってないかと思ってなのよさ」

「なるほどな？　確かに半分意識が飛んでたよ。昼休み特にやることもないし」

「私を待つくらいはしてもよかったんじゃないのよ？」

「そうしたら同じように遅刻してただけだよね？　僕は無駄にサボる学力はない」

「ふふふ、羨ましがっても頭脳はあげられないよ！　時間はあげられるけど！」

「また試験前に先生はお願いするよ」

「任されよ。それでなにか事件とかイベント起きた？」

「事件だったら学校封鎖されてるよね？　イベントというイベントはないかな。あっても先生が『また遅刻か』と、君に対してぶつぶつ言ってくらいかな？」

「人気者は辛いところなのよさ」

「特待生は大変そう。取り柄がない僕としては羨ましい限りだよ」

「君は私の特別だから、特待生と変わらないよ。ほら、見てみて。遅れて登校してきたっていうのに誰も私に話しかけようとする人がいない。とても不服」

「変わり者だからね、関わりたいって思わないんだろう」

「それは残念だね。いろいろなテストをしてみたいところなのに」

「テストって何？　心理テスト？」

「おっ。よくわかってるね。そう心理の世界を体験するテストなのよさ」

「データは多いほうがいいよね？　用紙あるなら僕が適当に収集してみるよ」

「頼まれた」

「頼まれた？　頼まれました？」

「細かいことはいいのよさ。もっと大事なところにエネルギーを使うべきなのよ」

「普通に生活するだけじゃ駄目なの？」

「普通は普通すぎてつまらないだけだよ」

「それが普通ってことなんだと思うよ。まぁ君に付き合ってると普通が普通じゃなくなってるけどね」

「それでいいのさ。特異点のようにそこだけ変化してると情報は多く入ってくる」

「個人的にはそれだと少ないようなイメージ」

「盛り上がってるところだけのデータだからね、そう思うのも仕方ないのさ」

「ふーん、よくわからないや」

「いつか君と一緒にデータを見せ合うのが夢」

「そう……頑張ってみるよ」