姉妹の日
バブみ道日丿宮組
お題:過去の姉妹 制限時間:15分
姉妹の日
家族という縁はずっと続く。
それが例え死人であろうとなかろうと、記憶の中に残り続ける。
これはそんな姉妹の物語。
そうであれば、まだマシだったのだが……。
「今日こそ外に出てもらうよ!」
「えー、めんどくさいよ。行くならお姉ちゃんだけにしておこ?」
ベッドでゴロゴロした妹が不満の声を上げる。
「あんたが外出ないから誘ってるんでしょ」
ため息。
「外出る必要があるならわかるけどさ、あたしって別に必要ないでしょ?」
姿がとても可憐な妹は、中学時代はマドンナのような扱いをしてた。そういうこともあって、家でもかなりのわがまま娘。中学を卒業してからはずっと家に引きこもってる。
そのはずなのに可愛さに変化はない。むしろ、小動物のような愛くるしさが増えたと思う。そこは同じ異性としてかなり許せない……こともないこともない。
「たまには外でないと。人間なんだからさ」
「家にちゃんとお金入れてるし、問題ないでしょ」
そこをあげられると否定する要素がなくなってしまう。
妹である彼女は、ネットの世界で起業した成功者だ。仮名ではあるが社長業務を行ってる。そこらへんのニュースに疎い人物であろうと会社名を聞いたことがあるぐらいなのだ。
だからこそ、姉妹であって姉妹でないような環境が続いてる。
「今度偉い人くるんでしょ? いい服用意してなきゃ駄目じゃない?」
「そんなのは制服でいいんだよ。公式な服装でしょ」
高校に行ってない彼女が着ると言ってるのは中学校の制服だ。数年も経過してるのに果たして着れるのだろうか?
「あー、お姉ちゃん。服着れないとか思ってるでしょ?」
「……そんなの当たり前じゃない」
「当たり前を当たり前にしないのがあたしのよさだよ。んー、今度そっち方面にも動かして見ようかな? いちいち学校の制服事情に合わせたんじゃセンスないよね。これからは自由に制服を選べる時代だよ」
何を言ってるのだろうか。
制服はその学校だからこそ制服であって、他の学校で着られないという希少性があるというものだ。
「またそういって付き人さんを困らせないでよね」
頭に浮かぶのは妹のマネージャーのような男。年齢はよくわからない。いつもスーツを着てて、妹の言葉にはいとだけ応える。どこでこんな真面目な人間を拾ってきたのか不思議にしか思えない。
が、いるという事実は変えようがない。
私にできないことを彼女はできるのだ。
だからこそ、少しでもお姉ちゃんらしさを出してみたかった。
「お姉ちゃん、でかけるんだったらあんまん買ってきてね」
「……わかったわよ」
バタンを扉を閉めて部屋から出る。
たくさん食べて動かない。それで肉体情報を更新しないなんて……まるで怪物ね。
「……」
天国の両親たちはいったい何を思ってるんだろうか……。
姉妹の日 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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