教室の思い出
バブみ道日丿宮組
お題:誰かとお天気雨 制限時間:15分
教室の思い出
「雨降ってきたね」
「しかもどしゃぶり」
女子生徒が2人、教室から空を見上げる。
1人はツインテールの金髪、そしてもうひとりはピンク髪のポニーテイル。まわりには他にいない。
「傘持ってきてないんだよね」
「まぁ……天気予報は晴れだったからね」
そうだねとお互い笑い合う。
「お天気雨ってやつかもしれない」
空が晴れ晴れとしてる中、雨が降ることをそう呼ぶ。
「煩わしいね。晴れてるんならしっかり晴れていなさいよ」
「こればっかりは雲と相談かもね」
空には雲が1つもない。説得力にかける言葉だった。
「青空の中、傘さすのもへんだし……濡れて帰る?」
「わたしは傘持ってきてるから、あなただけね」
えーずるいとツインテールから不満の声。
「私も入れてくれないかな?」
「折りたたみ傘にそんな高機能があるわけないじゃない。これは1人用よ。あなたが大好きな集団プレイできないタイプ」
ピンク髪は左手の人差し指と親指で輪っかを作ると、右手の人差し指をその輪っかの中を入れたり、抜いたりした。
「下品だよ、それ」
「でも、あなたそういうことばっかしてるからビッチって言われてるのよ」
ツインテールは不本意だよと、一息。
「私別にそんなにやってるわけじゃないからね。やってることとしたらさ、好きな人と1時間も2時間も抱き合うってことくらいならしてるくらい?」
「それが既におかしいわ。普通のカップルはそんなに抱擁しないし、そんなにしてたら相手が性欲に犯されて行為に発展するのが一般的だわ」
ピンク髪は今度は右手で輪っかを作り、左の人差し指を抜き差しした。
「もう! どうしてそっちの話にするかな! いいじゃない、そういうことが好きな女の子がいたって!」
「まぁ健全だとは思うけれど、あなたのは異常性癖に近いわ」
ニヤリと、ピンク髪は笑う。
「修学旅行の温泉で発情するのはあなたぐらいでしょうね」
「えぇーだって、みんなおっぱい丸出しなんだよ? つばがたくさんでるし、お股から液が溢れちゃうでしょ!?」
ないないと、ピンク髪は手を横にふる。
「あのせいで同室のわたしがそういう癖がある人だって一時期思われて大変だったのだから」
別にいいじゃないとツインテール。
「白馬に乗った王子様だって、性欲は凄いんだよ。だったら、それに応えるためにわたしたちだって性に溢れるべきなんだ」
「それは性欲に溺れるレベルのことよ」
ぐぬぬとツインテールが唸り声を上げる。
「まっ、冗談はこのくらいにしてもう雨も止みそうだから帰りましょう」
「そうだね」
教室を出る頃には、2人は仲良く手をつないで出ていくのであった。
教室の思い出 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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