仲間探し、もとい知り合い探し・3
「お前ら、準備できたか? ってか準備する必要ないな。」
「そうじゃな。必要な物は全て【
『ねぇ、最低限の荷物は出そうよ、例えば剣とか。じゃないとボク達変だよ?』
エンに指摘される。
……正論だ。
「妾は魔法杖じゃな。」
そういってリホは【
「俺は――剣か。」
リホに続き俺も武器召喚魔法を使う。ちなみに俺は【
「エン、お前人に言っておきながら何も持ってないな。」
『いいじゃん。ボクは素手で戦うかr…』
「「おい。」」
『……はい。』
【
「今更だがお前、珍しいな。」
「確かにそうじゃのぅ。龍というのに
『ちょっと、ボクに訊かないでよ。ボクだって知らないんだからさ。』
「ま、そうだよねぇ… 覚えてたら今度、サナルアに聞いてみるよ。」
わりとどうでもいい事だが聞いてみることにした。……覚えていたらだけど。
「じゃ行くぞー」
『おー、すごくやる気ないねー』
「何処に行くんじゃ?」
「うーん。適当なところかなー」
エンの発言はリホにスルーされ、俺もスルーする。
『………。』
エンは今にも泣き出しそうな顔をする。
「あれ、エンにリホ、何してるんスか?」
出かける前にもう一人の仲間が来た。
名前はテイルだ。
テイルは赤い髪で語尾に『っス』がついているのが特徴だ。
「ってかもう一人の人誰っスか?」
えっ…… 酷っ……
どうやら俺の事を覚えられていないようだ。
よし、腹いせにドッキリを仕掛けよう。フフフフフ………
『なあ、リホ、エン。』
『なんじゃ?』
『なになに?』
『所属していたパーティーリーダーのことを覚えていない
『内容は? 内容は!?』
エンが食い付く。
『あ、ああ。その内容は、だな。俺が―――……
『ふむ、面白そうじゃな。やってみようかの』
『じゃ、打ち合わせ通りにね』
『了解ー!』
『了解じゃ。』
「どうしたんスか? 急に固まって。」
「ああ、いや、こやつはこの山に迷い込んだ子供じゃ。」
「どうもリリノです。あなたは何ていうんですか?」
「オレはテイルっス! “ノアの冒険譚”って知ってるっスか?」
「あ、はい。」
「オレ、その話の中に出て来るんスよね」
ブフォッッッ!!とエンが吹き出す。
リホは笑うのを必死で堪えているが、プルプルと震えている。
ちょ、ちょっとwww
俺のww
表情筋をww
鍛えたいのww
かなww
はーww
やべww
笑いがww
止まんねぇww
す―――は―――……
す―――は―――……
す―――は―――……
深呼吸をする。が、笑いは止まらない。
『もう種明かししても良くないww
俺の腹筋とww
表情筋をww
鍛えにきてるわww』
『ノアよ……ww
笑いすぎじゃ……ww』
『リホもww
言えねぇじゃww
ねぇかww』
『それはww
否定ww
せぬがww
もうww
いいとww
思うのぅww』
『ボクもww
そうww
思うねww』
『じゃww
そゆことでww
よろww』
「ちょ、どうしたんスか? 皆急に黙ってプルプル震えだしたりして。なんか変っスよ?」
「ちょww
もうww
限界ww
俺、ww
お前のww
所属してたww
パーティーのww
リーダーww
だったww
ノアww
だww
お前ww
完全にww
忘れてたww
だろww」
すまん、笑いがww
止まらんww
「あ、そうっスね。忘れてたっス。 ってか、皆笑いすぎっスよ。オレがどうしたって言うんスか?」
「いや、もうww
ねww
全体的に、面白いww」
笑いが少し笑いがおさまってきた。
だが止まりはしない。
『だって、社長に向かってww
俺、社長の部下なんスよ!
って言ってるのと同じじゃww
ないのww』
「ちょww
笑いすぎっスよww」
テイルがそう言った瞬間にスン、と笑いが止まる。
「お前、笑う必要あるか?」
「え。」
テイル、固まる。
「ちょ、ひどくないっスか!? ねえ!? 聞いてるっスか!?」
俺は忘れていたのだ。
何故こんなに速く昔の仲間が見つかる理由を。
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