特別じゃないけれど、普段の幸せショクラードカーカ
公園カフェのカフェ・ド・シャノワール—— Café de chat noir。
クロが名に付く黒猫さんや黒白猫さんたちが経営する大人気のカフェテラスです。
そのカフェ・ド・シャノワールのスペシャリテは、パティシエール・クロ特製のクリーム添えガトーショコラ。
予約は必須。3ヶ月先まで予約がいっぱいの幻のガトーショコラといわれていました。
客V「いました? 過去形?」
客W「どうして過去形?」
だって、その看板パティシエールが、退職しちゃったんですもの。
客V「あっ、だから、予約の受付がなくなっていたんだ!」
客W「それじゃ、これから、なにを楽しみに頑張ればいいの? 予約の日までの3ヶ月間、指折り数えて頑張っていたのに……」
お客さんたちの落胆は、計り知れない。
幻と謳われたとっておきのご褒美スイーツが、本当の幻になってしまったんだものね。
パティシエールが、どうして公園カフェを辞めたのかというと、とあるおうちの専属パティシエールになったから。
どこのおうちか教えてほしいって頼まれても、それは
今は、そのおうちの人のために、毎日自慢の腕をふるって美味しいスイーツを用意している。
だから、パティシエールもそのおうちの人も、とっても幸せ。
長い間、忙しい公園カフェで働いてきたパティシエールは、疲れが溜まっていたんだって。猫だって、人間だって、だれだって年は取るものだしね。
そろそろ引退して、のんびりしたいと考えていた矢先に、個人宅での専属パティシエールのお話。
それで、しばらく考えてから、転職することにした。そのおうちが気に入ったから、もう一働きしようと決めたそうだ。
パティシエールは、カフェ・ド・シャノワールにいたときは、みんなからクロさんと呼ばれていたけれど、今は転職先のおうちの人からクロちゃんと呼ばれている。肩の荷が下りた感じ。
トレードマークの白い
だから、クロちゃんのために、みんな喜んであげてください。
だれですか?
指をくわえて、悲しそうにしているのは?
クロちゃんの幸せを心から喜んではいるものの、お口とおなかの
わかりました。
それでは、クロちゃんに、猫のお菓子屋さんのお当番になってもらいましょう。
それなら、OK?
客全員「やった! ばんざい!!!」
お客さんたちは、夢にまで見たパティシエール・クロのお菓子がまた食べられると、狂喜乱舞で大喜び。
みなさん、大いに期待してください!
公園カフェではおしゃれなガトーショコラでしたが、今回、猫のお菓子屋さんに並ぶケーキは、ショクラードカーカ—— Chokladkaka。
耳慣れない名前のケーキだけれど、北欧の昔ながらの素朴なチョコレートケーキです。
ココア風味のケーキにチョコレートのバタークリームアイシングをぬって、ココナッツがかけてあります。
初めて食べても、なんだかとっても懐かしい味。
緑の風吹くカフェテラスで、スペシャリテのガトーショコラもステキだけれど、毎日のおやつには、こんな家庭的なケーキもいいものですよ。
「ショクラードカーカにも、ホイップクリームをのせてみました。公園カフェの思い出といっしょに」とは、クロちゃん談。
クロちゃんの幸せのおすそ分けのショクラードカーカ。
本日限り。お早めに、ご来店くださいね。
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