第129話 梅の香り
どこからともなく吹く風から
かすかに梅の香りがして
まだ冷たい雨の夜が
ほんの少し色づいた気がした
そんな二月のとある夜
まだ春は遠すぎて
しっぽの先すら見えないけれど
確かにそこにあることを
甘い香りが教えてくれた
必ず行くから。
春までしっかり歩いて行くから。
だから絶対待っててね
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