第120話 朝とカラス
カラスの羽は青い空によく映える。
そんなことを思ったのはいつもと同じ朝のことで
ごみ捨て場のど真ん中堂々と立つカラスは
決して群れることなくその場を支配していた
その存在は全てが鋭い。
目もくちばしも爪も羽根も全てが
そうやってここまで生き抜いてきたのかと思わず息を飲めば
まるでこちらが不審者かのように睨み付けられた
ほんの少しの恐怖と畏怖と。
近寄りがたいと思えば思うほど
なぜかその姿から目が離せなくて
さわやかな朝の空へと飛び立つ漆黒を
食い入るように眺めていた
きっとカラスのように独りでは生きられない。
それは揺らぐことない事実だ
でも朝のカラスのようにくっきりと生きてみたい
そう思うことくらいなら許されるだろうと
私はまた、私の道を進むのだ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます