第98話　月に誓う


終わりの夕暮れを背中に受けて

月を見ながら帰る

いつもと同じ夕方

いつもと同じ帰り道

でもこの「いつも」は

決して当たり前なんかじゃなくて

たくさんの奇跡の上にあることを

なんとなくは知っているから

もうすっかり沈んだ夕日

迫りくる夜を背中に受けて

ほんの少し欠けた月に誓う

明日もいつも通りでありますように、と

このいつもが長く続きますように、と

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう！

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録（無料）

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る