第97話 夜を閉じ込める


ほんの少し狂った歯車は

大きな歪みを生み出した

見て見ぬふりして僕は

静かに夜を呑み込んだ


ああ、壊れだした夜は儚く冷たい


別にいいかと目を逸らし

乖離していく理想と現実

それでいいかと見過ごして

手にしたそれは甘かった


ああ、壊れだしたのは僕の方なのか


知ってしまった真実を

亡きモノとしてしまうため

透明なガラスの瓶に

ヒビだらけの夜を閉じ込めた


ああ、壊れだした夜は儚く冷たい

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