第27話 大人


大人になるほど見えなくなるもの

見えないと思い込もうとするもの

あの頃キラキラ輝いていたはずの

ほしかったものはないものとして

その存在さえ意図的に消してゆく

失い、あきらめ、手を伸ばすこともせず

それでいいのだと言い聞かせながら

眠る夜のシーツの冷たさ

きっとこんな大人になりたくなかった

そしてこんな大人になると知っていた

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