第17話 13才
あれは確か13才の頃
初めて出会ったそれに
まとっていた薄っぺらい仮面を剥がされ
僕は僕の本当の姿を知ることとなった
その日から僕のなかにある本当の僕は
何一つ成長する気配もないままで
覆い隠すための仮面はいくつも取り揃え
周りに合わせ取り替えながらこの世界を泳ぐ
本音を隠すこと外面を保つこと
くだらない大人に成り下がってしまったよ
それでも僕を保っていられるのは
あの頃の僕がまだ根っこに息づいているから
あれは確か13才の頃
否応なく見せつけられた本当の姿は
怠惰で頑固で融通も効かなくて
イヤになるほど愛すべきバカだったんだ
そんなバカな僕は
自分自身を受け入れることを知り
なんとか現実と折り合いをつけながら
今という時をただ必死に生きている
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます