第17話 13才


あれは確か13才の頃

初めて出会ったそれに

まとっていた薄っぺらい仮面を剥がされ

僕は僕の本当の姿を知ることとなった

その日から僕のなかにある本当の僕は

何一つ成長する気配もないままで

覆い隠すための仮面はいくつも取り揃え

周りに合わせ取り替えながらこの世界を泳ぐ


本音を隠すこと外面を保つこと

くだらない大人に成り下がってしまったよ

それでも僕を保っていられるのは

あの頃の僕がまだ根っこに息づいているから


あれは確か13才の頃

否応なく見せつけられた本当の姿は

怠惰で頑固で融通も効かなくて

イヤになるほど愛すべきバカだったんだ

そんなバカな僕は

自分自身を受け入れることを知り

なんとか現実と折り合いをつけながら

今という時をただ必死に生きている

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