第16話 手探り


真っ暗な道を手探りで歩いている気分だ


何も見えないままぶつかりながら進み 

落とし穴もぬかるみもハマってから気づく


それなのにドロドロになった自分の汚れすら

見ることができないから知る由もなくて

切り傷擦り傷打ち身に捻挫

たくさんの痛みを抱えながらまた歩く


そんな状況にもだんだん慣れてきて

これもまたいいもんだ、なんて思う自分もいる

全てを知ってしまうことよりも

出たとこ勝負の面白さを知ってしまえば

それはそれで新鮮で楽しめるから


明日もまた暗闇の中を歩くだろう

一歩ずつ、一歩ずつ、

見えないものを感じながら

ドロドロのまま新しい出会いに期待を込めて

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