第4話 初めての列車旅

時刻は朝5時。

太陽が昇り始め、静かな街には小鳥達の囀りや早朝ランニングのテンポ良い吐息が響き渡る。

灰色の瞳亭の中では30人前はあろうかと言う大きな寸胴鍋でコトコトと煮られているシチューの匂いが辺りを充満しておりもしかしたら人によってはこの美味しそうな匂いで起きてくるかもしれない。

その傍らでは亭主のリーリンがぺらりぺらりと本日の掲載する依頼を纏めているのがこの宿の日常だ。


ペパーミント:皆朝5時に起きれるのか?

GM:・・・朝起きれるのかダイスで決めますか??

マリア:ダイス勝負の時間ですね???

ガルダイン:あ、僕のキャラは夜までここで飲み明かして放り出されて宿の前で寝てる感じにしたいです。

GM:お、了解しました。ではガルダインはここで寝ていて・・・・寝起きダイスは参加します?

ガルダイン:勿論参加するに決まってるんだよなぁ!

マリア:私はメリアで基本的に寝ないので代わりに直ぐに辿り着けるかの寄り道ダイスしますね。

ガルダイン:前日に酒で酔いつぶれてますが何かペナルティ貰えませんか?

ヒューゴー:君らはそんなにスムーズな合流をしたくないのか!?

GM:では皆さん2D6で8以上を出せたら遅刻せず来れた事としましょう。ただし任意で2D6に-3~+3して良いです。

マリア:ではダイスロール!!!


任意で出目を足して良いと言ったにも関わらず誰に出目は足さず、ガルダインに限っては自分から出目-3をし、出目も振るわなかった事もありなんと全員失敗。

依頼が受けれるかどうか自体が心配になって来ましたよGMは。


ペパーミント:あーあーあー失敗してる、失敗してる!

マリア:誰一人来ない!!!

ガルダイン:マリアさんが失敗するのは駄目なのよ。

ヒューゴー:ガルダインが一人寝てるだけやんけ!!!

GM:で、では時刻は午前5時。静かな灰色の瞳亭がそこにはあります。(震え声)

ガルダイン:いや、静かじゃないですよ。ガルダインがいびきをかいてるので静かじゃないです。

ガルダイン:「ぐぉ~・・・むにゃむにゃ・・俺が最強だぁ・・・」

GM:では時刻は5時10分。

ヒューゴー:ではその辺でヒューゴーとマリアが別の方角からやってくる感じです。

マリア:マリアは悠々と歩いてくる感じですね。

GM:ちょっと遅れちゃったかなー?とも思いますが二人が一番乗りです。ドウシテ

ガルダイン:いやいや、一番乗りはガルダインよ?

全員:(大爆笑)

ヒューゴー:確かに一番乗りだけどもぉ!!(笑)

マリア:まだ夢の旅路の最中なのよ貴方は(笑)

マリア:えーっとじゃあそうですね、ヒューゴーが来てるのを確認してから声をかけましょう。

マリア:「おはようございますヒューゴー。」

ガルダイン:「(挟み込むように)ぐごぉ~~~」

ヒューゴー:「今日も良い風が啼いている。素晴らしき運命が我等に訪れるな」

ガルダイン:「(会話を潰す様に)ぐがぁ~~~」

マリア:「今日もいい朝ですわね。」

ガルダイン:「うぅん・・・まだ飲み足りねぇぞぉ。」

ヒューゴー:「・・・・この忌々しいドワーフめが」

ガルダイン:幸せそうに寝てますよ、ぐごー。

ヒューゴー:「こいつ、まさか一晩中飲み明かして放り出されたのだろうか。」

ヒューゴー:「ふっ・・・愚かな、こんな所で無防備に寝顔を晒すなんて。」

マリア:「ガルダイン、こんな所で寝ては風邪を引きますわよ。」

ガルダイン:「ぐごぉ~・・・うぅん、さいきょぉ~・・・」

ヒューゴー:「よし分かったここは俺に任せて置け。」

ヒューゴー:では『明音のフルート』を取り出して構えますよ。

マリア:いびきと曲で相当な近所迷惑になりません?

ペパーミント:大丈夫?窓ガラス割れない?

ヒューゴー:『明音のフルート』なんで非常にでかくてハッキリした音がなりますよ。

ヒューゴー:「行くぞ深海の縦笛アビサルリコーダー!戦慄の刑!!」

ヒューゴー:そう言いつつ『アーリーバード』を奏でます。

ガルダイン:じゃあそれは起きざるをえないですね。

ヒューゴー:ヒューゴーがLV5バードなんで半径50m内の全員が起きるのですが・・・

GM:では半径50m以内で寝ていた住人達が「なんだなんだ!?」と一斉に起き始め周りの民家の窓がバタバタと開き始めますよ。くっそ近所迷惑。

GM:ちなみにペパーミントはどこで寝ていますかね?

ペパーミント:特には決めてないけど・・・灰色の瞳亭で泊まれるならそこでもいいです?

GM:OKです。では灰色の瞳亭の二階で寝ていると下から目が覚めるような演奏が

ペパーミント:ポペー!

GM:そう、ポペーと言う・・・目が覚めるか?この音。まぁ何はともあれ目が覚める演奏が聞こえて目を覚まします。

マリア:じゃあそのいびきとポペーの二重奏を尻目に

マリア:「中にペパーミントが居るかもしれませんから先に入ってますわね。」

ペパーミント:じゃあそのポペーという音を聞いて

ペパーミント:「うわぁあああああ!!!ドラゴンの鳴き声だぁああ!?ドラゴンが襲って来たんだああ!!」って言いながら装備もままならず扉を蹴り開けます。

全員:(大爆笑)

マリア:鍋兜をこう、半分しか被れて無さそう(笑)

ガルダイン:鍋兜がめっちゃズレてそうないい寝起きだわ(笑)

ペパーミント:鍋の取っ手を片耳だけひっかけてメイスを持ったままドタドタ降りて来ますよ。

マリア:「おはよう、ペパーミント。良い朝ですわね。」

ペパーミント:「あれ!?ドラゴンは!?!?」

マリア:「ドラゴンは居ませんわ。それはきっと夢ですわね。」

ペパーミント:「はぁはぁ・・・・なんだ、あれは夢か。」

ヒューゴー:ではこっちはそのまま演奏で宿の外から「目覚めよー!!」ってガルダイン起こしてます。

ガルダイン:「ぐぉぉ・・・頭に、頭に響く。手を貸してくれヒューゴー」

ガルダイン:ちょっと二日酔いで頭抑えてるんでヒューゴー君起こすの手伝ってください。

ヒューゴー:「グラスランナーの筋力で出来ると思っているのか!?」

ガルダイン:「いける、お前ならいける筈だ。」

ヒューゴー:「チッ・・・仕方ないなぁ。」って言いつつ、どうしましょうかね。なんか普通に起こすのも癪だなぁ。

ガルダイン:なんでよ!?

マリア:冒険者+筋力ボーナスでも振りますか?

GM:では、達成値高い方が引っ張れるということで。

ガルダイン:なるほどね?一緒に崩れようぜぇ・・・??

ヒューゴー:やめろ、やめろぉ!俺のマントの裾を引っ張るんじゃない!!


ここでガルダインの出目が10。

冒険者レベルと筋力ボーナスを足して達成値19というまだ眠りたいという意志を感じる出目の高さ。

本当に依頼に間に合いますか・・・?GMは心配になってきましたよ。


GM:そんな所で出目力使わないで・・・

マリア:おしまい!!ヒューゴーも倒れて貰って・・・・

ヒューゴー:うぉおおおやってやる!やってやるぞ!!


意気込みに呼応するかのようにヒューゴーの出目は12の自動成功。

冒険者レベルと筋力ボーナスに更に自動成功ボーナスを足して達成値20。


全員:おぉーー!

マリア:こんな所で六ゾロ運を使わないで・・・・

ヒューゴー:「やめろ!我が衣に触れるな!!!」

ヒューゴー:って言いながら手を振り払いガルダインの頭をガァンと踏みつけますよ。

ペパーミント:起こしてないやんけ!!!

ガルダイン:「ぐぉおお!?何をするヒューゴー!!」頭を押さえてうずくまりますね。

ヒューゴー:ハァハァと荒い息を吐きながら

ヒューゴー:「全く、後少しでお前の寿命は半分になっていた所だったぞ・・・我が呪いの衣に手を出す時は気を付けるのだぞ・・・」

ガルダイン:闇の魔術師なんだったわこの人・・・

ペパーミント:と、言う事は最強のガルダインを倒したヒューゴーが最強という事ですか???

マリア:確かに今の所そうですね?

ヒューゴー:やめて!ペパーミントに補足されちゃうからやめて!!

GM:すぐ外で揉めているのでペパーミントは気付いていいですし、なんなら目撃してもいいですよ。

ペパーミント:本日二度目の扉蹴り開けバァン!

ペパーミント:「貴方今最強のガルダインを倒したわね!?もしかして貴方が最強なの!?」

ヒューゴー:「ゲェーー!?ペパーミント居たのか!!」

ペパーミント:「ええ!今何したの!?見せて見せて!!」

ヒューゴー:「や、やめろ!!来るんじゃない!!!」ガルダインを障害物にして距離を取りますよ!!

ペパーミント:ガルダインを回るように追いかけますよ!!

マリア:ぐるぐるぐるぐるー!回り過ぎてバターになっちゃう~~!!

ガルダイン:今俺がパーティーの中心になってる・・・物理的に。

GM:はい、じゃあそんな所で先程の半径50mアーリーバードの影響で辺りから怒号が聞こえてきますね

住人達(GM):「朝から騒がしいわ!」「誰だ朝っぱらから!!」「赤ん坊が起きちゃったじゃないの!!!」

GM:下手に捕まればここで30分程お説教されるでしょう。ちなみに時刻は色々あって5時半、集合時間まで後30分。

マリア:ではそれを尻目にリーリンに話しかけます。

マリア:「あら、おはようございますリーリンさん。」

リーリン(GM):「う、うーん・・・マリアさんも遅刻するとは思わなかったかな。」

マリア:「ええ、素敵な朝市を見つけてしまってごめんなさいね?」

リーリン(GM):「あ~、素敵な朝市があったなら仕方な・・仕方なくないよ?仕方なくないからね!?気を付けてね!?」

リーリン(GM):「とりあえずここは僕がなんとかしておくから早く集合場所に行ってください。早く、早く、早く!!」

マリア:「判りましたわ、ではさっそく向かいますわね。」

ガルダイン:「頼んだぜ宿の嬢ちゃん、俺達が無事に出れるかどうかはアンタに掛かってるんだぜ?」

リーリン(GM):「ガルダインさんしばらくお酒禁止ね・・・?」

ガルダイン:「何故だ!?俺が何をしたというのだ!!」

ヒューゴー:じゃあその後ろでペパーミントに帽子とか引っ張られながら

ヒューゴー:「こ、こいつを何とかしてくれ!!!」

ペパーミント:「ねぇ今の教えてよー!教えてよー!!」めっちゃぐいぐい引っ張ったろ。

マリア:「全員揃いましたわね。行きますわよ~!」

GM:引率の先生や・・・

ガルダイン:幼稚園の先生RPがお上手ですわ・・・

ペパーミント:「はーい!ほらヒューゴー、マリア呼んでるよ!!」ってローブ引っ張りながら行きましょうか。

ヒューゴー:「全く・・・騒がしい奴らだ・・・」ずるずる引っ張られるよ。

マリア:引っ張られながら「五月蠅かったぞこの野郎!」とか空き缶めっちゃ投げられてそう。

ガルダイン:一番五月蠅かったのはヒューゴーなのよ。

ペパーミント:アーリーバードで半径50m叩き起こしてますからね、大迷惑ヒューゴー。

GM:空き缶を投げられつつ逃げるように走る事20分。5時50分にはグランドターミナルに到着します。

GM:ではこちらはグランドターミナル。グランドターミナルについて簡単に説明すると店なども入った3階層のとても大きな駅です。

キングスフォールで最大規模の駅であり・・・まぁ現実で言うなら新宿駅とか梅田駅を想像してくれれば大体そんな感じです。

ガルダイン:新宿駅とか梅田駅なら迷路では??

ペパーミント:もうダメだぁ・・・10分じゃ何ともならねぇ・・・

マリア:何線の何番に行けばいいんだ・・?どこの東口に行けばいいんだ?

ペパーミント:南口がいっぱいあるよぉ~!

ヒューゴー:そういう時こそこのセージを頼ってくれていいのよ?

GM:ま、まぁ集合場所は決まっていたので無事に集まれる事にしましょう。スムーズに合流できる新宿駅。

ペパーミント:それが良いと思います!なんて素敵なグランド新宿駅!

ヒューゴー:せやせや、ここで判定させてたらまた1時間ぐらい持っていかれると思います。

ガルダイン:まだ依頼人に合流してもないのに1時間使ってるもんな我々。(既に現実時間で1時間経過)

GM:えーっと、本当はいつもはもっと活気があるのですが朝六時という事もあって人はー・・・

マリア:どうしましたGM?

GM:静かな駅の予定だったんですけどカァンカァンカァンとハンマーを振り下ろす工事の音が鳴り響いていますね。

全員:(大爆笑)

GM:何故か半壊したグランドターミナルの修復工事が行われていますね!!!

マリア:誰かが壊したから(笑)

マリア:「まぁ朝から賑やかですのね!」

ヒューゴー:「うーむ、どうやら空から何かが落ちて来て屋根が破壊されたようだな・・・」

ガルダイン:「おいおいおい、迷惑な輩が居たもんだなぁ。」

ヒューゴー:「もしかしたら新手の呪われし隕石か何かかもしれない。」

マリア:「そんなことがありますの!?」

ペパーミント:「すごい大きい怪獣が来て壊したのかもしれない!!」

ガルダイン:「おい、早く行くぞお前ら。何をチンタラしているんだ!」

全員:(大爆笑)

ガルダイン:「しょうもない事を言ってないで早く行くぞ!」

ペパーミント:お前が言うな案件。

ヒューゴー:犯人は現場に戻るってこういう事なんだなって。

マリア:そんな会話をしながらキョロキョロと依頼人を探しましょうかね。

ヒューゴー:確かでかい女の人を探せばいいんでしたっけ?

マリア:そうそう、180cmぐらいの。


集合場所に向かうと黄色髪の180cm程の長身女性が目に入ります。

女性にしてはガタイがよく、身に着けているものはリュックサックを中心としたまるで登山用の装備一式。

今は土汚れた軍手等を背負ったリュックサックに仕舞い、サイドポーチから水袋を取り出して一息入れつつもキョロキョロと何か探しているように辺りを見渡しています。 


マリア:お、あれかな?声をかけに行きますか。

マリア:「貴女が依頼主のニコ・タイタンさんですの?」

ニコ(GM):「ん、そうッスけど・・・もしかして灰色の瞳亭の冒険者ッスか?」

ヒューゴー:「うむ、いかにも我が闇の魔法使いヒューゴー・マインドシックである。」

ニコ(GM):「やみ・・・?闇ってなんスか?ヒューゴー君?」

ヒューゴー:「や、闇は・・・その、闇だ。」しどろもどろ。

全員:(大爆笑)

マリア:じゃあ困惑してるのを尻目に

マリア:「私はマリア・テレジアローズですわ。よろしくお願い致しますわね。」

ニコ(GM):「ああ、マリアさんッスね。よろしくッス。」

ガルダイン:「ンンッ・・・(声を整えてから)天上天下唯我独尊、炎の燃える拳最強の男ガルダイン・スチームフィストとは俺の事だ。」

マリア:移っとる移っとる!!厨二病が移ってる!!!

ガルダイン:いやいや、ヤンキーなんでそんなもんですよ。

ニコ(GM):「凄い自己紹介・・・ガルダインさんッスね、よろしくお願いするッス。」

ニコ(GM):「で、そちらのタビットさんは?」

ペパーミント:「アタシはペパーミント・ラビットパイ!最強のタビット目指してるの、よろしくねー!」

ニコ(GM):「最強の・・・タビット???」

ペパーミント:「護衛なんでしょ?アタシ達に任せておいて!!」

ニコ(GM):「ンンッ・・・(少し言い淀みながら)最強のタビットが護衛となれば心強い?」

ニコ(GM):「・・・・頼もしいッスね!」

ヒューゴー:言い淀むな(笑)

マリア:完全に頭の上にハテナが浮かんでるやん(笑)

ペパーミント:「安心して!人を護るのも最強の為の一歩よ!」

ニコ(GM):「まぁそうッスね・・・自信がある方が来てくれる事に関しては嬉しいと思うッス。うん。」

ペパーミント:滅茶苦茶どや顔してやりますよ。ドヤァ・・・

ニコ(GM):「灰色の瞳亭に所属してる人なら大丈夫だと思うッスけど・・・あの、マジで大丈夫ッスかね?」

ペパーミント:「勿論!最強なんだよ!?」

ガルダイン:「おいおいおい、人を見た目で判断して貰っちゃ困るぜ?」

GM:GM目線は引率の先生と園児の遠足なのよ。

マリア:先生役です、よろしくお願いします。

ペパーミント:園児です、よろしくお願いします。

ヒューゴー:役ではなく園児って辺りが本当にペパーミント。

ニコ(GM):「ん~、まぁリーリンさんの紹介ッスから大丈夫ッスよね・・・」

GM:そんな所で工事の音を掻き消すように大きく汽笛の音がグランドターミナルに鳴り響きます。

ニコ(GM):「じゃ、とりあえず列車に乗ってくださいッス。そろそろ出る時間ッスから。」

ガルダイン:「(少し声を震わせながら)こ、こんなでっかいのが本当に動くんだろうな?」

ニコ(GM):「あら?ガルダインさん乗った事無かったッスか?」

ガルダイン:「いや、あるが?あるに決まってるだろ?」

ヒューゴー:おやぁ・・?これは良い玩具がありますね?

マリア:「ああ、ガルダインがきっと別の列車だったんですわね?」

ガルダイン:マリアの声は聞いちゃいないです。余裕なんてものはない。

ペパーミント:人の声も聞けない程余裕ないじゃないですか(笑)

ニコ(GM):「じゃあ詳しい事は列車の中でするんで乗ってくださいッス。」

GM:そう言いつつ乗るように促しますが乗りますよね?

マリア:それは乗りますよ。ウキウキしながら。

ヒューゴー:「黒鉄の棺よ、いざ行かん。」とでも言いながら乗り込みます。

ペパーミント:ピョンピョンしながら乗り込みますよ。

ガルダイン:「ほ、本当に大丈夫なんだろうな?本当に動くんだろうな?」

ヒューゴー:なんだこのヤンキードワーフ・・・可愛いぞ!?(笑)

マリア:「立派な魔動機ですから大丈夫だと思いますわよ?」

ガルダイン:「そうか・・そうだよな。」震えながらついて行きます。

マリア:「まぁ大丈夫ですの?お手手を握りましょうか?」

ガルダイン:「ば、馬鹿!!最強の男にそんなものは必要はない!!」

ペパーミント:「おじさん最強のくせに怖いんだぁ~!」

ガルダイン:「そ、そんなことはない!断じて怖くなんてないぞ!!」そう言いながらマナーモードでついて行きます。

ヒューゴー:それをこっそり乗り降り口の所からニタァ・・・と笑ってますよ。

マリア:くっそ陰湿な笑い方しないのそこ!(笑)

ペパーミント:うわぁ・・・素直に気持ち悪い笑い方や(笑)


全員が乗り込んだ所で汽笛がもう一度グランドターミナルに朝を告げて列車はガタンゴトンと北へ、第二都市ヒスダリアに向かって動き出します。

しばらくすれば首都キングスフォールを抜けたのか窓の外には自然豊かな景色が映ります。東には山々が、西には海が見えますが列車の速度もあって景色は後ろへ後ろへと流れゆくでしょう。


マリア:「わぁ、景色が流れますわ~。」 

ガルダイン:「ほ、本当に動いたぞ!!」

ニコ(GM):「・・・・やっぱりガルダインさん初めてッスよね?」

ガルダイン:「そんな事は無い!最強の男たるもの列車の一本や二本ブイブイ言わせてたわ!!!」

ヒューゴー:どうやって列車をブイブイ言わせるんだ・・・?

ペパーミント:汽笛鳴らしまくってたんでしょ。

マリア:めっちゃ近所迷惑。

GM:では空いているボックス席を探し、腰を下ろしてからニコは話を切り出します。

ニコ(GM):「とりあえず今回は依頼を受けてくれてありがとッス。植物研究をしているニコ・タイタンって言うッスよ。」

ニコ(GM):「えー・・・依頼についてはどんな風に聞いてるッス?」

ガルダイン:「何でも3万G貰えるとか。」

ニコ(GM):「ふぇっ!?さ、3万G!?手紙にそんなことは書いて無いと思うんスが・・・」

マリア:「確か1万Gでしたわね?」

ニコ(GM):「あ、そうッスよ!基本的に報酬は1万Gッス!」

ニコ(GM):「それこそ目的のモノでも見つかれば3万Gぐらい出しても全然いいんスけど・・・ま、そんな簡単に見つかるもんでも無いッスから多分ただの護衛依頼になるッスよ。」

マリア:「ええ、判りましたわ。確か第二都市ヒスダリアから東の方へ行くんですわよね?」

ニコ(GM):「そうッス。ヒスダリアから東の方に遺跡があるって文献を見つけたんでちょっと調査しに行きたいな~って感じッス。」

ヒューゴー:「ほう、失われし神話の遺跡か・・・興味深いな。」

GM:お、じゃあ今回はさっきみたいに困惑するでもなく引くでもなく少し乗り気になってヒューゴーに答えてくれるよ。

ニコ(GM):「そうッスそうっス。失われし神話の遺跡みたいなもんスよ今回は。」

ヒューゴー:「おお・・・我と志を同じくする者よ、共に神秘を探ろうではないか!」

ニコ(GM):「そうなんスよ~、本当に眉唾モンっすから中々見つからないんスけど・・・それでも探しに行くのが楽しんスよね!」

ヒューゴー:「うむうむ!判っているではないか依頼人よ!」

ヒューゴー:で、一体どんなものを探したいのか聞き出したいんですけど

GM:はいはーい、じゃあ普通に何を探しに行くかを聞く感じですね?

ヒューゴー:普通じゃない聞き方をしますけどね、ヒューゴーなんで。

ヒューゴー:「それで隠されしアーティファクトとは一体・・・・?」

ニコ:「アーティ・・・アーティ?アーティファクト???」

マリア:あ~、ヒューゴー言語についてこれなかったか~。

GM:突然のアーティファクトに困惑しつつも少し間が空いたのちに意味を理解しますね。

ペパーミント:頭の上に電球がピコーンと出てそう。

ニコ(GM):「ああ!今回探しに行く物ッスね?皆は『天空の種』ってのを知ってるッス?」

GM:さて、ここで『天空の種』について見識判定12でどうぞ。


今までの振るわない出目の反動か無事に全員成功し、

全員が全員『天空の種』については話や書物で知ったいた。


【天空の種】 見識判定12

正式名称はスカイツリーという植物の種である。

天空へと至る道を作ると言われているスカイツリーの種の二つ名が『天空の種』であり、

植えればどこまでも天高く成長し、雲を突き抜け際限なく成長していくと言われている。

基本的には日光だけで成長出来る為際限なく成長する・・・と言われているが、

そのようなユグドラシル規模の超巨大植物の発見報告は無い為眉唾物とされている。


ヒューゴー :ジャックと豆の木みたいな植物って事ですね?

GM:そうそう、イメージはそれで大丈夫。

マリア:「それなら知っていますわ!」

ガルダイン:「うむ、勿論知っているぞ。最強の植物という事だな?」

ペパーミント:「知ってる知ってるー!最強の植物!!」

ヒューゴー:君ら最強かそうでないかしかものさしで測れないのか(笑)

ニコ(GM):「最強の植物って言われればそうかも知れないッスね。サイズ的にも」

ヒューゴー:「天空へと至らんと伸ばすその意志のなんと素晴らしきことか・・・我もその話を吟遊詩人に聞いた事がある。」

マリア:「何とも浪漫のある話ですわね。」

ヒューゴー:「だが今まで一度もその存在を見たものは居ないと言う・・・本当にそんなモノが存在するのだろうか。」

ニコ(GM):「実際の所は存在するかって言われたら無い可能性の方が高いッスね・・・」

ニコ(GM):「でも、今回その天空の種を保管してるっていう遺跡があるって言う文献を見つけたんで依頼した感じッスよ。」

マリア:「なるほど・・・あるといいですわね。」

ガルダイン:「うむ、あると信じた方が楽しいからな。」

ペパーミント:「私達最強だから絶対見つかるよ!」

ニコ(GM):「最強はそこ関係あるんスか???」

ペパーミント:「最強に見つけられないモノは無いのよ!?」

ガルダイン:「最強はこのパーティーに三人居るからな!!」

マリア:「ほら心強い方達でしょう?」ってニコニコしてます。

ニコ(GM):「そ、そっスね~・・・滅茶苦茶ココロヅヨーイ・・・」ちょっと目が泳いでます。

ヒューゴー:心だけは強いから間違ってはないですよ?(笑)

ガルダイン:心強いではなく心だけが強いのよそれは。

GM:心が強いというよりは図太いと言うのでは???

マリア:マリアは普通に心強いと思っていますよ!

GM:くっ・・・引率役が頭の中ふわふわ系だったわ。

ガルダイン:「うんうん、アンタ運が良かったな。」

ニコ(GM):「そうッスね・・・・まぁ眉唾モンなんで見つからないのが普通ッスから純粋にフィールドワークの護衛とかそんな気持ちでいて欲しいッス。」

ペパーミント:「絶対見つけてやるんだから!!!」

ニコ(GM):「アハハ・・・お気持ちは嬉しいッス。他に何か聞きたい事は無いッスか?」

ガルダイン:ん~・・・そうですね。

ガルダイン:「ちなみに何だが・・・・(声を震わせながら)この乗り物はもう最高速度が出ているのか?」

マリア:怖がってるじゃない(笑)

ニコ(GM):「え?うーん・・・そんな最高速度は出す事は無いと思うッスから出しては居ないと思うッスけど?」

ガルダイン:「これ以上は早くならないんだな?」

ニコ(GM):「多分出そうと思えば出せ」

ガルダイン:「(ニコの言葉を遮るように)やらなくてもいい。やらなくてもいいんだ。」

ヒューゴー:今までで一番力強い拒否(笑)

マリア:「わー、もっと早く走れるんですのね!」ワクワクしながら言いますよ。

ガルダイン:「おい、やめろ!」

ペパーミント:「最強だから最速の乗り物乗りたーい!もっとスピード出してよー!!」 

ガルダイン:「やめろ!!そんな事になったら俺は降りさせてもらうぞ!?」

GM:どうやって降りるんだ(笑)

ヒューゴー:では慌ててるガルダインを見てニタァと笑いながら語り始めますよぉ。

ヒューゴー:「そういえばガルダイン。」

ガルダイン:「な、なんだ・・・?」

ヒューゴー:「俺は聞いた事がある。かつてキングスフォールから出る列車の一本が横転した話を・・・」

ガルダイン:ゴ、ゴクリと喉を鳴らしつつ話を聞きましょう!聞きたくねぇ~!

ヒューゴー:「聞かせてやろう。そこに置かれたのは小さな小石だった・・・」

ガルダイン:「おいおいおい!!それは吟遊詩人の与太話なんだろ!?」

ヒューゴー:「いいやぁ?それを俺が聞いた相手は実際に乗っていた奴だった・・・・今は片腕と片足を無くして杖を突いていた。」

マリア:見識判定で知ってるかどうかを振ってもいいですかGMー!

GM:そうですね・・・適当に見識判定15でどうぞ!

ガルダイン:ガルダインは信じるので見識降らずに汗をだらだら流しています。


ペパーミント、マリア、ついでにニコも見識判定で話の真実を探るが全員失敗。

このお話はヒューゴーの作り話かもしれないがそれを私達は判らない・・・全ての主導権はヒューゴーに握られてしまったのだ。


ペパーミント:知らない!そんな話は何にも知らない!

マリア:こっちも知らないので驚きつつ聞いてますよ。

GM:ついでにニコも知らないのでゴクリと一緒に話を聞いていますよ。

マリア:「まぁそんな事が・・・!」

ペパーミント:「大丈夫よ!アタシ達最強だから列車がひっくり返る程度じゃ死なないわ!!」

ガルダイン:「死ぬぞ、人は・・・」顔面真っ青になりつつぼやきます。

マリア:腕組みながらブルブルしとる(笑)

ヒューゴー:そこはリアリストなのか・・・

ガルダイン:実際乗り物墜落して死にかけてますからねガルダイン。 

GM:トラウマになってんじゃないですか(笑)

ガルダイン:イップスとかの精神的な病を患ってますよこいつは!

マリア:乗り物イップス(笑)

ガルダイン:もう乗り物に乗れないかもしれない・・・今設定が生えたわ。

ペパーミント:気付くのが遅いのよ。

ヒューゴー:じゃあそんな感じで皆を怖がらせて悦に浸りますかね、しめしめ。

ガルダイン:げっそりガルダイン。

ヒューゴー:吟遊詩人だけど歌が下手だから吟遊詩人らしく中々語って聞かせる機会がないので楽しい!

GM:吟遊詩人ぽくって良いぞ良いぞ。

ヒューゴー:いつもは語っても厨二ワードのせいで全然何言ってるか判らなくて反応が無いんですよね。

マリア:今回は皆知らないのもあって真剣に聞いてるよ。

ペパーミント:そうそう、なんなら語り滅茶苦茶上手いぞヒューゴー。

ヒューゴー:じゃあ最初は満足してるんだけどあまりにも皆が真剣に聞きすぎるので挙動不審になり始めます。

ガルダイン:持ち上げられ慣れてなさすぎる(笑)

ニコ(GM):「ほ、本当にそんなことがあったんスか・・・?」

GM:ゴクリと喉を鳴らしながら事実だったのかと問いかけていきましょう。

ヒューゴー:「そ、そうだぞ・・!!この話はここまでにしておこう。」

ニコ(GM):「まぁそんな起こる事でもないッスから!ヒスダリアまでの短い道のりなんで・・・大丈夫ッスよねヒューゴー君?」

ヒューゴー:「そ、そう・・だな、(どんどんと声が尻すぼみつつ)そう、そうそうそう・・・そう、だよな。」

ガルダイン:自分で怖くなってるじゃないか(笑)

ヒューゴー:ちょっとヒューゴーも背筋が寒くなって来ましたよ。

ニコ(GM):「話を変えましょう話を!ほら何か他に聞きたい事とか無いッスか!?」

ヒューゴー:「ん-・・・何か他に聞くことあるか?」

ガルダイン:「いや、もう十分だ。俺達は最強なんだぜ・・・?」

ペパーミント:「うんうん、現地に行けば全部判るわ!」

ヒューゴー:「駄目だこいつら脳筋だった!!」

マリア:「ではその目的地の遺跡とやらについて教えて頂けます?」って聞きますけど情報ありますかね?

GM:そうですね、少しですがありますよ。

ニコ(GM):「文献自体が大分古いものだったんで所々の情報しか判らないんスけど・・・・その遺跡がそもそも『天空の種を保管する為の施設』だったらしく、時代としては魔法文明時代に建てられたモノらしいッス。」

ニコ(GM):「遺跡について判る所はこれぐらいッスかね、遺跡の場所自体は自前で地図を作ったんで案内するッスよ。」っていう感じに教えてくれますよ。

マリア:「ふんふん・・・今から到着が楽しみですわね。」ってニコニコしてます。

ヒューゴー:「そうだな・・・一刻も早く着いて欲しい。本当に。」ぶるぶるぶるとガルダインマナーモードON

全員:(大爆笑)

マリア:じゃあブルブルしてるのを見てそっと毛布を差し出しますよ!

マリア:「まぁガルダイン寒いんですの?震えていますわ。」

ペパーミント:無駄な優しさがガルダインへ・・・

ガルダイン:「違う、これは武者震いだ・・・!」って言いながら毛布に包まります。

GM:ではガルダインのマナーモードのせいか、それとも列車本来の揺れか判りませんがガタンゴトンと列車は揺れて貴方達を運んでいきます。

GM:そうして時刻は午前12時、第二の都市ヒスダリアに列車は到着します。

ペパーミント:6時間ぐらい乗ってるんですねぇ。

マリア:途中で止まったりとか何かあったりしたのでしょう。

ガルダイン:そうですね、6時間となるとガルダインがもう虫の息ですね。

ヒューゴー:死にかけだそうです。

マリア:じゃあマリアはその間に車掌さんに「もっと早くなりませんの?」とかウキウキ聞いてみたりしてます。

ガルダイン:やめてくれ!!精神的に殺す気か!?

マリア:精神抵抗に-2のペナルティをどうぞ。

ガルダイン:(精神的に)死にました。

ペパーミント:残念です、惜しい人を無くしました・・・・

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る