第4話
なんとなくグチャグチャな気分を立て直そうと日曜は久しぶりに街へと出掛けた。
映画でも見て、買い物してご飯を食べよう。
電車に乗って街中へ。映画館までの道をゆっくりと歩き、ウインドウショッピングを楽しむ。
途中、シンプルな雑貨屋さんの前で足が止まった。シンプルな雑貨に合わせて木のぬくもりと緑を感じるナチュラルな内装に惹かれ、入ってみようとした所で足が止まる。
「あ!」
「あ……」
店内にあった知った顔。
そこにいたのは女の人と親しげに隣り合う松岡くんだった。
なんだ。ちゃんと彼女いるんじゃない。
それならそれで、結城さんからのアプローチを断ればいいのに……。
私が心配する必要なんてなかった。お節介もたいがいにしなければ。
「お知り合い?」
「ああ、会社の」
スラリとした美人な彼女と松岡くんは、どこからどう見てもお似合いな美男美女。
「
「こんにちは。同じ会社の月見里です。デート中ですよね、邪魔してごめんなさい」
失礼します、と頭を下げる。
邪魔しちゃ悪いと思って挨拶も早々に歩き出そうとするのに、待ってと松岡くんが止める。
「友梨、この人だよ。僕が付き合ってる女性は」
そう言って私の肩を自然に引き寄せる松岡くんに、私は目を見開く。
「あらっ!」
「何してんの? ちょ、ちょっと彼女さんの前でナニ訳分かんないこと、冗談言ってる場合じゃないでしょ!?」
「ふふっ、仲が良いのね、良かった。安心した。月見里さん」
「はいっ」
「
「うん。気を付けて帰って」
バイバイと手を振る松岡くんを唖然としながら見上げる。私の頭の中はクエスチョンマークでいっぱいだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます