第21話 皇帝
【イグニス】と【ギガントスマッシャー】専用武器と専用兵器 自分の限界を引き出してくれる武器と未知の力を持つ兵器 まさかのダブルゲットで機嫌が良いゼオンは鼻歌を歌いながら廊下をスキップしていた・・・
リザ「お!なんだかお機嫌なやつがいるね」
ヴィヴィアン「ゼオンちゃん可愛い!」
レティシア「機嫌が良いのは分かりますが 可愛いですか?」
フィーネ「専用の武器を頂いて 舞い上がっているのね 教育が必要かしら」
後ろから見ていた4人がゼオンの姿を見守っていた
隊員の最後の一人はいつの間にかゼオンの側に現れ
ステラ「・・・楽しそうな歌・・・どうしたの・・・」と質問している
ゼオンは「えへへへ 実は・・・」と事情を説明する
リザ「しっかし あたしらですら会話少ないのに ステラのやつゼオンだけにはめっちゃしゃべるよな」
ヴィヴィアン「そうだね~ 自分から話しかけることなんて今までなかったもんね~」
フィーネ「連携や陣形も前より良くなっているからこちらとしてはプラスに働いているけど・・・少し距離が近い気がするわ」
レティシア「二人の話し聞いちゃんたんだけど、なんでも ステラはゼオンを故郷に連れ行くつもりらしいわよ」
「「「!!?」」」 レティシア以外の三人が驚く
それって連れ帰るの間違えじゃあ・・・
レティシア「故郷で龍の合唱を聞かせるつもりね」と言うが 三人は絶対に違うと考える 故郷で家族に紹介するつもりだ!とお婿さんにしようとしていると・・・
レティシア以外はステラにライバル心を抱き始める
次の日 特殊部隊デミナスに特別任務が舞い込む
それは宮殿での警備任務だった
なんでも他の国から様々な王子が来客する予定日で宮殿の守りを強化するために俺たちデミナスもそれぞれバラけて警備をすることに
だけど 宮殿すら近づいたことのないしかも補欠の俺は今回はイングリット隊長と共に警備にあたることに
イ「緊張しているのか?」
ゼ「はいっ! だって偉い人たちが来るんですよね? そりゃあ失礼のないようにって 緊張もしますよ!」
イ「安心しろ! ここは確かに皇族 そして今回来る王子たちが通過する通りと庭があるが 皆から背を向けた状態で警備にあたるから警備に専念しろ」
ゼ「そうですか わかりました」
その後 確かに隊長の言う通りに背後に人が通るのは分かるが見る必要はなく警備に集中できた・・・
休憩時間となり 庭で隊長と話をする
ゼ「うーんっと! 動かないで警備してると身体が固くなっちゃいますね」手を上に伸ばし ストレッチをする
イ「警備や警護をするというのはこうゆうことだ
慣れるしかないな ・・・そうだ動かしたいなら組み手でもするか?」
急な申し出で驚くが せっかく隊長と組み手できると思い
「はいっ!」と返事をする
やはり隊長は凄かった・・・
デミナスでみんなと任務をこなし 強くなっている実感はあったが それでも俺の拳や蹴りをしなやかに捌き 避けて対応される こっちも負けじと隊長の攻撃を受け流し 反撃する
しばらく経ち 【ヒートアップ】が高まってきたため
組み手を終了しようとした瞬間 それは来た・・・
ズドーーン!!と庭に誰かが二階から飛び降りた衝撃音だった
土煙が上がり 姿が見えないが声が聞こえた
?「ちょうど ムシャクシャしていたところだ!
動きもいいし 混ぜてもらおうか!」
やがて 姿が見える
その人影に見覚えがあるイングリット隊長は驚愕する
イ「あっ あなたは!」
ゼ「?」
ゼオンは姿が見えても誰だかわからなかった 綺麗な女性で高貴な感じはしたが・・・
イ「皇帝陛下・・・」
ゼ「え!?」 まさかの人物にゼオンも驚愕する
こ、皇帝!? 帝国の一番偉い人!?
時は少し遡り
エイルラント帝国 皇帝『リエナ・エイルラント』は機嫌が悪く 宮殿の廊下を早歩きで移動していた
理由は父の大公が勝手に他国の王子を宮殿に呼び寄せ 縁談つまり政略結婚の婚約者を決めようとしていたのだ
「冗談じゃない!!」 リエナはまだ結婚するつもりもましてや政略結婚などをする気すらなかった
自分の相手は自分で決めるそう決めていたが そんな理想の相手はおらず 項を急いだ父は政略結婚に踏み出そうとしていた
そんな時 イライラが止まらないリエナの耳に誰かが組み手をしている音が聞こえる
二階の窓から覗くと軍服を着た男女二人が激しい攻防戦を繰り広げていた 女の方が強く 男は必死に喰らい付いていく様だったが そこら辺の兵士より全然動きがいい さらに男は動けば動くほど強く 速くなっていた 組み手は激しさを増し 熟練の騎士や兵士の模擬戦より白熱する
しかし いいところで組み手が終わってしまう
男の方から組み手をやめるように言っている 何故だ!?
もう少しで女に追いつけるはずだったのに
納得がいかず そうだ我が相手をしよう
ちょうどイライラして動いてストレス発散したいところだった
そう思い 二階から下に飛び降りた・・・
リエナ「ちょうど ムシャクシャしていたところだ!
動きもいいし、混ぜてもらおうか!」
二人は我に驚く だがそんなことより早く組み手がしたい!
イ「皇帝陛下 どうかお引き取り願いたい 我々はまだ警備の最中です 休憩の時間に訓練をしていただけですので・・・」
隊長が事情を説明するが
「ならば皇帝の命令だ!我と組み手をせよ! 特にそっちの男 お前だ」と言ってゼオンに指さす
イ「お待ちください!彼はまだリエナ様の実力に見合いません!」
リエナ「よい! ただ我の鬱憤を晴らしてくれればよい! それに男 お前まだなにか隠しているだろ?」
ゼ「えっと このまま続けると危ないからできれば やめませんか?」
リエナ「やはり 隠し玉があるのか? よい!我に見せろ!!」と言って襲い掛かる
「うわっ!」避けるが 追撃してくる
リエナ「ほらほら! どうした? 早く見せろ!」
皇帝とは思えない洗練された武術の嵐がゼオンを襲う
「くっ!」 隊長より鋭く 強い攻撃に手も足もでない
だが、【ヒートアップ】は上昇し 攻撃は出来なくても避けて 受け流しはできていた
リエナ「いい! いいなお前! 我の動きに対応出来ているではないか! ふふふ・・・」嬉しそうに笑いが込み上げる
大振りの蹴りを受け止めたゼオンは「やばっ! 来る」と思い後ろに大きく後退する
リエナは「なんだ? なんだ?」と気になる
すると男の両腕 両足から炎が燃え上がる
ゼ「このままだと燃やしてしまいます! やめましょう!
」と促すが
リエナ「それがお前の全力だな!?」とやる気満々に突っ込んでくる
リエナはさっきより速く 攻撃を打つ
ゼ「っ!!」ギリギリ避けて態勢を整える
攻撃が激しく ついに炎の腕がリエナに当たるが火傷も燃えもしなかった
ゼ「えっ?」と驚く
皇帝には効かない? 確かめるようにゼオンから攻撃してみると全然 熱いと感じていない・・・
「この状態で戦える!」そう理解し ゼオンは自分の最大にパワーアップした状態で組み手を続ける
リエナ「あっはははは! そうだ!その調子だ もっと打ってこい!」
ゼ「ハアアアアアアアアア!!」
発火(イグニッション)状態でリエナに攻撃を繰り返す
しかし それでもリエナの方が強く 投げ飛ばされ 地面に
転がる
「ふうー! スッキリした!」と満足をいった様子の皇帝
「お 終わった!」と安堵の様子のゼオン
しかし リエナは近づき、「皇帝命令だ! また我と組み手をしろ!」
ゼ「え? もういいんじゃあ?」
リエナ「今日は満足いった だが、また今度するぞ!
言っておくが拒否は認めん!」
そう言ってリエナは立ち去る・・・
「見つけたかもしれない だが、今のままではダメだ!
もっと強く 我に相応しい男にしなければ・・・」
その帰り道 皇帝 リエナ・エイルラントは上機嫌に鼻歌を歌いながらスキップをしていた・・・
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