虹
勝利だギューちゃん
第1話
外は日本晴れだった。
今日は、彼女の葬儀が行われている。
正確には、彼女(だった)と、過去形になる。
彼女はクラスメイトの女子。
同じ委員会で会話をする機会が増え、自然とお付き合いするようになった。
だが・・・
「私とは別れてほしいの。詳しくは会って話すから」
彼女からの突然の絶縁宣言に、頭が真っ白になった。
でも、すぐに冷静になる。
「自分に彼女を引き留めておくだけの魅力がなかった」
そう思うと、不思議とすがすがしかった。
そして、彼女から別れの言葉を聞くために、待ち合わせ場所に向かった。
しかし、彼女が現れる事はなかった。
僕に会いに来る途中で、彼女は車に挽かれて、命を落とした。
救急車があわただしくサイレンを鳴らしていった。
それが、重症となった彼女を運ぶためだったが、車内で息を引き取った。
教室には、誰が置いたが・・・
彼女の机の上には、花が飾られていた。
担任からは、事務的な言葉が出てくる。
彼女と仲の良かった女の子たちは、号泣していた。
彼女は晴れ女だった。
彼女との何度かのデートは全部晴れだった。
僕は雨男だが、彼女とのデートで一度も雨になったことはない。
彼女の晴れ女度が、強力だったのだろう・・・
四十九日が過ぎたころ、僕は彼女の家を訪れる。
既に顔見知りだったので、温かく出迎えてくれた。
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