戦車マウントをやっつけろ!

 はい、皆様こんにちは!

 だんだん創作論なのかロボモノエッセイなのかわからなくなってきましたが、一応今日は語りたい気分なのでこっちを更新しますね。

 えー、今日はみんな大好き「戦車マウント」のお話です。

 まず、戦車マウントってなんですか? というとですね。

 ロボモノを創作してる人なら、一度は見聞きする自称リアル派の無粋なマウントです。


「それってロボ(人型機動兵器)じゃなくて戦車でよくない?」


 はい、これですね。

 似たようなのに、戦闘機マウントというのもあります。

 今日はこのお話をしていきましょう(笑)




 まず、皆さんは戦車って知ってますか?

 英語だとTankタンク、各国の主力戦車はMain Battle Tankメイン・バトル・タンク、略してMBTって呼ばれますね。間違ってもマキシマム・バスター・タイフォーンじゃないですよ? MBT、日本だと今は10式戦車ってのがあります。以前は90式戦車(いい性能だがクソ重い)、64式戦車(見た目が凄く格好いい)などがありました。因みに馬に引かせる戦車はChariotチャリオットで、これは今の戦車とは全く戦術思想の異なる兵器です。

 ここでは、戦車とはTankという前提で話を進めますね。


 戦車、有名なコンテンツだとガールズ&パンツァーがありますね。

 アニメなので「娯楽としての優しい嘘」にまみれてますが、その描写は非常に拘ったリアリティにあふれています。あれぞまさしく「神は細部に宿る」を体現した傑作アニメでしょうね。同時に、「女の子が戦車でバトルする」という要素が「古式ゆかしい昭和のスポ根アニメな流れ」で描かれている、ここにもまた「新しい画期的要素」と「古くからのお約束の要素」が合体してる構図が見て取れます。

 温故知新とはまさに、こういうことを言うのだと思いますね。

 娯楽としても勉強素材としても面白いアニメなので、まだ未視聴の方は是非。




 さて、本題に入ります。

 戦車マウント、ぶっちゃけムカつくんですよね。

 日頃「温厚で穏やかな? 変態創作家へんたいしんし」の仮面を被ってるながやんでも、イラッとします。その大きな要因は……ほぼ毎回そうなのですが「」ってのなんですよね。

 俺は個人的に、この「戦車を知らないくせに」ってのが、一番嫌です。

 という訳で、今日はちょっと戦車の話をしましょう。


 戦車の歴史は実は新しく、第一次世界大戦で初めて生まれます。

 最近ガルパンにも登場した、あらゆる戦車の始祖、御先祖様…イギリスのマークフォーという戦車があります。みなさんにお馴染みの、車体に旋回砲塔が乗ってる姿ではありません。言う慣れば「キャタピラオバケ」みたいな形の箱型なんですね。

 実は第一次世界大戦までは、歩兵同士の戦いがメインで、そこに騎馬兵や砲兵が複雑に絡んでくるというのが地上戦の基本でした。必定、敵味方の歩兵が塹壕ざんごうを掘って、その中に潜みつつ戦う訳です。

 この塹壕を突破しないと、攻撃力の高い騎兵を進軍させられません。

 しかし、塹壕を潰すのは大変で、歩兵で(馬は超えられないので)チクチク戦うしかなかったんですね。

 そこで、イギリスのチャーチル首相(当時は海軍大臣)が考えたのが、戦車です!早速彼は、トラクターのエンジンでマークⅣ戦車を作り、実戦投入しました。

 そう、戦車の最初の用途は「無傷で塹壕を乗り越えて進軍できる特殊車両」だったのです。マークⅣ戦車は実戦ではまだまだ未完成で、塹壕を超える筈が塹壕にハマって動けなくなったりとまあ、ぼちぼちの活躍しかできなかったんですけどね。


 さて、その後にフランスのルノーがFT-17という戦車を開発します。

 この戦車が「上部に砲塔を備えた重装甲のキャタピラ車両」という、近代戦車の姿をフォーマット化しました。後の戦車は全て、このFT-17の形が原型になっている訳です。

 そのご、多砲塔戦車や突撃砲、駆逐戦車など様々なバリエーションが生まれては消えました。そして昨今では、コンピュータ制御された高度な戦車が造られています。




 で……戦車を知らずに戦車マウントしてくる人、多いんですよ。

 例えば、戦車って走りながら砲撃することは稀だって、知ってますか? 戦車は基本、複数で待ち伏せして停車状態からの砲撃で敵を倒すのがセオリーです。遮蔽物に車体を隠し、砲口だけを上から出して狙撃するんです。

 因みに、名作アニメ「風の谷のナウシカ」では、トルメキアの戦車が走りながら砲撃してますが、あれはアニメならではのケレン味演出で、本来は(特にあの世代の戦車は)走りながらの砲撃はあまりしません。絶対しないとは言いませんが、走行時の砲撃は命中率が著しく下がります。

 ま、宮崎駿監督は戦車の第一人者、本物のタンクマニアなんですけどね。

 お暇な方は是非(入手困難だけど)氏の「泥の豚」という作品を見てみてください。

 宮さん、ガチの戦車オタクだから。


 あと、戦車は下と上が弱点です。

 上から急降下攻撃すれば簡単に撃破できます。

 真下から地雷でやってもOKですね。

 なので、近代の戦車がハイテクの塊でも、対戦車ヘリには絶対勝てません。因みに対戦車ヘリは戦闘機に絶対勝てないので、制空権がない状態では出てきません。そして、戦闘機では戦車は攻撃しづらいので、戦闘機とは別に爆撃機や攻撃機が必要になる訳です。

 さらに、戦車は鈍重なイメージがありますが、実は足が速いです。

 滅諦にやりませんが、最高時速200km前後で走るMBTも存在しますよ。




 あとへ……一番これ言いたいの。

 現実世界の軍事研究化の間でも、数年に一度は必ず「戦車って必要なくないですか?」って議論が出る。定期的にが上がって、それこそ「小説媒体でロボモノって向いてないよね」って話題が出るくらいの頻度で浮上してきます。

 因みに、過去に何度も何度も議論されてきましたが、戦車不要論は結局「やっぱないと困るか、戦車」で落ち着くんですが……数年経つと、思い出したように復活するんですね。


 いいですか?

 戦車マウントしてくる奴が「ロボいらなくね? 戦車でよくね?」と言うでしょう。

 でも、その戦車も現実では「戦車いらねくね?」って思われ続けてるんです。

 それに、戦車マウントで必ず前面投影面積ぜんめんとうえいめんせきの話が出ますよね。ぶっちゃけて言うと、ロボが戦車相手に戦うとして、ずっと立ちっぱなしでいるという前提が話にならないんですよね。人の姿をしているロボットが、伏せたり飛んだり、それこそ塹壕掘って立てこもるとか考えないんでしょうかね。


 極論言えば「戦車でよくね?」という論調は、話になりません。

 でも、そういうマウントを取ってくる人がいても、めげないようにしたいですね。焦らず怒らず、スルーが一番いいでしょうし、心の中で(でも、その戦車も現実では時々いらないのではって議論されてるけどね、フフフ)とマウントしかえしましょう。マウント取られても、下からガードポジションでデラヒーバ、そういう感じでいきましょ。

 あと、戦車でロボを倒すガンダムイグルー重力戦線もあるし、戦車とロボが混在する世界観や設定、普通にあるし面白い。共存して魅力を出し合えるガジェットなのに、どうして片方を否定し、否定するためにもう片方を知りもしないのにプッシュするのか。

 まあ、そういうことを考えて時々イラッとしてるながやんだったりして(笑)

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