第16話翌日

翌日、ベッドから起きたケンタウロスは夏休みで里帰りしたことを思い出した。普段着に着替えて階段を降りるとそこには両親が既に起きていた。母は朝食の準備をしていて、父は新聞を椅子に座って読んでいた。

ケンタウロスは洗面台で顔を洗い、髪の毛をとかすとダイニングに入った。

「おはよう。」

ケンタウロスが両親と挨拶を交わしていると妹が起きてきた。

「あら、メイシーちゃん。後でお着替えしましょうね。」

パジャマの妹を見て母がにっこり笑った。

そして朝食を済ませて出かける準備を終えると父が玄関の鍵をかけた。

「水族館に出発だぞ!」

「わーい。」

そして父の運転にて車に乗り込むと家を後にした。暫くして水族館に着くと妹はパンフレットを手に真っ先に車から降りた。

「メイシー、走ると転ぶから危ないわ。ゆっくり歩きなさい。」

母が車から降りて妹に注意をした。

「はーい。」

そしてケンタウロス達4人は歩いて水族館の中へと入った。水族館の中には色々な種類の魚がいて水槽の中を泳いでいた。

「マンタだ。」

妹がお目当ての魚を見つけて駆け出した。

「どうやらイルカショーは午前の部と午後の部に分かれてるらしいな。午後の部にするか!」

父がパンフレットを見て母とケンタウロスに告げた。

「OK!」

ケンタウロスは短くそう答えると妹のところへ駆けて行った。

暫く魚を見て時計を見たときにはもうすぐお昼になるところだった。

「そういえば水族館の上にレストランがあったな。そこで食べよう。」

父の提案で水族館の上のレストランで食事をすることにした。

「おいしいね~。」

いつしか家族との会話も弾みだんだんと楽しくなってきた。

そして午後はイルカショーを見た。イルカの迫力に妹が目を丸くしていた。そんな大迫力のショーを見てケンタウロス達は車に乗って家に帰っていった。こうしてケンタウロスの夏休みは開けたのである。

 夏休みはとにかく楽しいの一言に尽きない!父と釣りに行ったり、おばあちゃんの家に妹とケンタウロスのみ泊まったりした。そんな夏休みを過ごしているとふとあの悪魔の子3人が気になった。

「あいつら謹慎処分の後どうなったのかな?」

サタン達は召喚魔法を使用したせいで校長先生に叱られ謹慎処分になったからである。あれから彼らの姿を見ていないのでケンタウロスは気になっていた。

「まあ、僕には関係ないか。」

数日たったこの日は家族でキャンプに出かけていた。

ケンタウロスは妹と薪を拾いに出かけていた。

「お兄ちゃん早くキャンプ場へ帰ろうよ。」

遠くで妹の声がしてケンタウロスは”今行くよ”と返事をして妹の後を追った。

この日の夜はキャンプ場へ行き、テントを立ててここで寝ることにした。母は早速夕食の準備に取り掛かり父は川で魚を釣りに出かけたそしてケンタウロスと妹は父と合流して母のいるところへと向かった。

「うわあ~おいしそう。」

いつしかテーブルには父の釣った魚と母の料理がテーブルに並んでいた。

妹はお腹がすいていたらしくおかわりしていた。

「ケンタウロスの夏休みも残りわずかだな。」

父が食べながら言った。

「え~もっと一緒にいたかったのに。」

妹は残念そうだったが”また会えるから”とケンタウロスはにこり笑った。

「また手紙を書いてもらえばいいじゃない。」

母が妹をなだめたので妹は渋々頷いた。

こうしてケンタウロスの夏休みは終わったのである。

妹ともたくさん遊んだしいい思い出も沢山出来た。なにより里親との距離が縮まった気がしたのもこの時だ。

そしてケンタウロスはもうすぐ友達と会えるのを楽しみにしていた。

夏休みが終わったあとの学校はさらに忙しくなる。それはオリンピア祭が控えているからである。これはケンタウリスにとって活躍できる絶好のチャンスだと思う。あの悪魔の3人が邪魔しなければの話だが。今後の展開が楽しみになってきた。

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