第2話到着したのは?

しばらくして汽車がある駅に停車した。

”ご乗車ありがとうございました。”の車内アナウンスとともにドアが開き手紙を手にした生徒となるべき人達が一斉に改札口へと飛び出した。そしてバスに揺られて着いた先には大きな門がそびえ立つ魔法のような空間が広がっていた。

「皆の者!我が校へようこそ。手紙は受け取ったかね?」

門が開き、中から小姑のような方が出てきた。

皆が手紙を掲げ”はい”と返事をした。

「よろしい。中へお入り。」

ケンタウロス、ディオ、ウンディーネも彼らの後に続いて門をくぐった。校舎の中に入ると入学の手続きと儀式があり、校長先生が激励の言葉を述べられた。

「この度はご入学誠におめでとう。ここでの生活を有意義に過ごしてくれ!!」

そして校長先生の言葉の後、寮の説明が小姑からなされた。

「我が校の寮は全部で4つ。revolución 、marina、campeón、pacifista だ。」

レボルシオンは革命、マリーナは海軍、カンペオンは王者、パシフィスタは平和主義という意味がある。

小姑から生徒達へカードが手渡され、そこに寮の名前が書いてあった。そして手にしたカードに書かれた寮へと進んだ。

「やった。ディオとウンディーネと同じレボルシオンだ。」

ケンタウロスは喜んでいたがウンディーネは少しがっかりした様子だった。

「私マリーナが良かったな。」

「どうして?」

2人が聞くと彼女は水の精霊だからとだけ答えた。

ケンタウロスはなるほど、と思った。

するとそこへ意地悪い3人組が彼らの前にやって来た。やって来たのはサタン、アマイモン、エリゴスの悪ガキ3人だ。いかにも悪そうな風貌の3人に彼らは後ずさりした。

「やぁ、君達もご入学とはね。ふんっ、せいぜい頑張るんだな。」

そう言って3人は不気味に笑った。

「なんだよ!!今に見てろよ。」

ケンタウロスは言い返せないままディオとウンディーネと寮へと向かった。

 ケンタウロス達は寮に着くと先輩達から細かい説明を受けた。例えば門限は何時なのか、や立ち入り禁止区域はどこなのか等。先輩達の説明が終わると生徒達はそれぞれの部屋に荷物を置きに行った。

「そっか。女子寮と男子寮があるんだよな。じゃあ、また会おう。ウンディーネも女子の友達作れよ。」

ディオ少年とケンタウロスが彼女に手を振ってここで一旦別れた。

「あなた達もね。」

彼女も彼らに手を振り去っていった。彼女と別れた後、ケンタウロスはディオと話しながら歩いた。

「さっきの悪そうな奴ら凄く感じが悪かったよな?。」

「だね。同じ寮じゃなければいいけどな。」

「まさかね。同じ寮ならびっくりだけどな。」

2人が笑いながら歩いていると男子寮へと到着した。ドアを開けて階段を上がるといくつもの部屋があった。

「僕らの部屋は305号室だ。」

ディオが確かめながら言った。

ここの学校は完全寮制度で部屋は何人かでシェアするようになっている。

ケンタウロスとディオは誰と同じ部屋になるのかワクワクしていた。そして部屋のドアを恐る恐る開けた。

ガチャッ。

「やぁ、君達と一緒か。真面目そうな人達で良かった。」

ケンタウロス達が入ってくるなりほっと胸を撫で下ろしているのはアフロヘアーに天使の羽が生えた・・・。

「君ってもしかしてキューピッドかい?」

ケンタウロスは驚いてその子に聞いた。

「そうだよ。僕はキューピッドって言うんだ。初めまして。」

キューピッドはにっこり笑った。

「そしてこっちは・・・。」

キューピッドの隣にはケンタウロスと同じような奴がいた。

「ごきげんよう。僕はユニ・コーンさ。ユニって呼んでよ。」

ユニはたて髪をかきあげて言った。

「ユニコーンって、僕とあまり変わらんな。」

ケンタウロスが呆れたようにそう呟くと”それはないだろう?”とユニが反応した。

「僕は完全なる馬だが君は半分人間じゃないか!!」

とにかく楽しい寮生活になりそうだと、ケンタウロスはディオと笑った。寮の仲間もいい人そうだし。部屋の設備も整ってるし。まあベッドは二段なんだけどね。

「ウンディーネもちゃんとやれてるかな?」

そういえばと思いディオが窓の外を見つめていた。彼女も上手くやっていればいいのだけれど。

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