不審に思うなら玄関あけなくてよくないか?
バブみ道日丿宮組
お題:怪しい愛人 制限時間:15分
不審に思うなら玄関あけなくてよくないか?
少女の見受け引き取り人になってからというものの、
「……またか」
「こんにちわ」
たくさんの女性が家を訪れるようになった。女好きであれば、愛人にでもするかもしれないが俺はそうじゃない。第一に家に子どもがいるのにそんなことはできない。
「なんのようです?」
「人手が欲しいって思ってるわよね?」
「知らない人の手はいらないですよ」
訪れる女性たちは、少女の才能が目的だ。
引き取るまで全然知らなかったが、少女には特殊な能力がある。それは未来予知に近い占い。誰がいつ死ぬとか、どこで何をすれば富を得られるとか。
この能力は親戚の一部しか知らず、懐かないと行わないことから少女は厄介ものとして扱われてた。
俺は不憫に思って引き取ったわけだが、競馬と株で10億もの大金を得られてしまったらその力を信じる以外の選択はないし、保護すると決めたわけだから親戚にわたすつもりもない。
今はその資金でセキュリティが強固な高級マンションの一部屋を買って、2人で生活してる。ちなみに少女は人前にでることが嫌いなようで、パソコンで通信教育を受けてる。
「こんな大きな部屋なのに? お掃除とか大変でしょう」
5LDKだからな。
「警察呼びますよ」
女性たちはなぜかマンションの入り口のセキュリティを突破してくる。カメラにデータは残るわけだから不正アクセスというわけでない。
管理人が鍵を渡してるのかと怪しく思えるが、それはありえないだろう。だいたい警察が何度も調べたことにとにかくいえるものでもない。
「そう……つれないわね。まだ小学生でしょ? 友だちと遊びたいんじゃない?」
「そうですね。友だちは欲しいかもしれないですがネットの友だちで満足してるみたいですよ。音声通話してますし」
世間話をしてる場合ではないだろうと、玄関先に設置してるボタンを押す。
「セキュリティ会社に連絡しました。立ち去らないなら排除されますよ?」
警察を呼ぶよりも役に立つセキュリティ。
「そう。またくるわね」
そういって女性はエレベーターホールへと向かっていった。
「お客さん?」
「そうじゃないさ。休憩か?」
部屋から出てきた少女はまだ寝間着だった。
「ちゃんと着替えてくれよ」
わかってるとトイレに向かった。
不審に思うなら玄関あけなくてよくないか? バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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