優しさについて

@Kyoufu_no_minazoko

優しさについて

優しさとは、思いやりの気持ち。

優しさとは、暖かい気持ち。


今日は入学式。張り切って買って間もないランドセルを、パカパカ言わせながら学校に向かっていた僕。

入学式なんだから遅れないようにしなくちゃ。

僕の通学路は交差点が多いから左右、注意しなくちゃ。交差点を通り過ぎた後、学校の目前で止まった。

桜が風で舞い上がる。地面に落ちた花弁を拾う僕。


落ちているものを拾うのも優しさのひとつだからね!


僕は桜の花弁をポケットにしまい、校門へ歩みを進めた。


おはよう


男の子の声がした、振り返って私は


おはよう


と返した。挨拶と言えども、優しさの一つ。

教室では、綺麗なピンクのカーテンがあり、いくつか束にされていた。窓は開けられており、風が入り込むと涼しいと感じる。カーテンがなびく。

赤いランドセルを開け、桜の花びらを取り出した。

太陽の方に花弁を当て、太陽がピンク色になる様子を楽しんでいた私は研究者になった気分だった。


時計の針を見ると|8:30|


そろそろ体育館に行こう!


うん!


二人は学校の体育館に向かった


優しさとは、思いやりの気持ち。

優しさとは、感謝の気持ち。


それから数日、風が強い日。

教室の子とはすっかり仲良くなった私は、一人気になる生徒がいた。あの子

入学式に居た子。あの子は入学式以来ここ数日来ていない。毎度毎度、出欠確認の時は席が空いていて、今日も休みか、と先生が不安げな表情をする。

先生曰く、何も知らないらしい、五日目程で家庭訪問に言っても、家からは応答もなく、電話しても留守電で居留守してそうな様子はない。だからと言って住所も電話番号も間違えはないらしい。その他の皆もあの子の事を知らなかった。


少々ため息をついた。


優しさとは、思いやりの気持ち。

優しさとは、暖かい気持ち。


人とは

感情とは

優しさとは


人とは

感情とは

優しさとは<


優しさとは、自分に対する見返りを求めず、損得を考えずに相手のためになる行動を進んで行うこと。


僕はとあるサイトを見つけた。

"情報仕込み屋 なんでもやさん"

「あなたの知りたい情報ヲ、全て教えますヨ」


なんでも情報が載っており、選択肢にある事柄をクリックすると、その概要が瞬時に出てくるサイト、まるで辞典だ。


「情報を教える代わりニ、君から何かを取りますネ」


画面に砂嵐が現れ、パソコンがシャットダウンした。

少しだけ頭が痛い、休もう。僕は少しばかり床についた。


優しさとは、思いやりの気持ち。

優しさとは、暖かい気持ち。


もうすぐ春も終わる、夏が来る。

先生がズボラなので、私が行く、あの子の家に。

あの子の家へ目指す。

交差点を抜け、通りの少ない道へ、山が増えてきたところ。

坂道を登ると一軒家が見える。

廃墟に近しい見た目のボロさ、築年数も相当いってるであろう家。蜘蛛の糸が張り巡らされた扉を開ける。


「ーーっ」


そこには、天井から取り付けたであろうヒモに首がハマっており、足が宙に浮いていた。

辺りを見渡すと、押し入れから飛び出したビニール袋にハエが集っていて、勉強机は書きかけの日記のようなものがあり、壁には引っかき傷のようなものが着いていた。少年の首に傷はないが、爪が所々剥がれている。首吊りに見せかけたであろう他殺に見えた。


部屋を出ようと扉を見ると少しばかり違和感を感じた、内側からではなく、外側から開けられるようになっていた。


「まあ、優しさのひとつだからね」


優しさとは、自分に対する見返りを求めず、損得を考えずに相手のためになる行動を進んで行うこと。


優しさとは、諸悪の根源。

優しさとは、時には悪となる。


その事件から数日、私は先生に報告した。


いい情報をありがとう、手がかりがあったらまた連絡頼むよ。


「はい!私は"なんでも知ってますからネ"!」


優しさとは、アタタカイ気持ち。

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