ひとりと、ふたり
バブみ道日丿宮組
お題:今日のゲストは復讐 制限時間:15分
ひとりと、ふたり
「こんにちわ、3時間ぶりだね?
元気してた?
私? 私はほらさっきご飯食べたから大丈夫。そっちはおなかすいてない?
すぐに点滴するからね。
私ってば優っしい。
ねぇ新しい枕はどう? 寝心地がすごくいいって噂だったんだけど?
ちなみに私は合わなかったかなぁ。私はほらだきまくらのがすっごい相性がいいんだ。あなたを抱きしめたらもっといいかもしれない。
あっ、別にあなたがほしいってわけじゃないからね。あなたはそこで動かずにただ私を見つめるだけでいいの。そうそうやって唸ってくれるだけで私はすごく満たされるの。
あなたがしてくれたことはね、成長だった。
いろんなことを知るきっかけだった。
知ってる? ネットじゃなんでも買えるんだよ? あなたを気絶させたこのスタンガンはね、象でも失神するレベルなんだって。そんなのを人間に使うなんてすごい発想だよね。
大丈夫だよ。やけどは治療してもう残ってないから。心配する必要はなにもないよ。安心して毎日を過ごしてね。
そうだ。
学校じゃあなたが帰ってこないことが問題になってたよ。私は全然心配してないよ。だって、ここにいるのだもの。毎日顔をあわせてる人を心配する必要はなにもないよ。
警察がね、うちにもきたよ。
きっとあなたを探してるんだろうね。私をその日の昼まで痛めつけてた張本人だから、きたんだろうね。
安心していいよ。あなたはどこにもいかないし、なにもすることもない。
ただ私のためにこうして息をして、瞳を開く。
ねぇ知ってる?
人体のいくつかを人工物に変えると死ぬことはなくなるんだって。いわゆる身体が弱って死ぬことね。肉体が常に新品に交換される状態なら劣化しない。
そう。あなたは私の作品なの。
作品なら誰かに見せたいところだけど、見せちゃったら終わっちゃう。そんなのつまらないよね? ねっ? そうだよね? あなたもそう思うよね?
でも、友だちがいないのは寂しいね。
新しいこを連れてこれればよかったのだけど、地下室に置き場所はないしどうしようもないんだ。ごめんね。もっと私が裕福であれば、もっといい環境であなたを飼育できたのに。
あっ、お母さんが呼んでるからいくね。また夜にくるから! そしたらもっとお話しようね」
ひとりと、ふたり バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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