大雪警報

バブみ道日丿宮組

お題:愛と欲望の大雪 制限時間:15分

大雪警報

「ねぇ、今日泊まっていかない?」

「どうして?」

「だってこれから大雪が降るって警報でてるし、危なくない?」

「確かに電車止まったらまず帰れないだろうね」

「だったら、もう今日は泊まるつもりでいたほうが安全じゃない?」

「うーん、そうかも? じゃぁお言葉に甘えようかな」

「やった! じゃぁ今晩料理作ってね!」

「別にいいけど、材料あるの?」

「買うには買ったんだけど、あまり使えてないんだよね」

「それはそれで危ない気がするけど……まぁ見てみるよ」

「買ったの一週間前だし、まだ平気だよ」

「それぐらいだったら、まぁ平気だね。うん、なんとかなるかな」

「そのまま一緒に暮らしてくれてもいいんだよ?」

「僕は一人暮らししてるわけじゃないからね。そこらへんはまだ難しいな。親は納得しないだろうし」

「マザコン? ファザコン?」

「いや……そういうのじゃないよ。一緒に暮らすならお金が必要でしょ?」

「私の家にそのまま住めばいいじゃない」

「いやさ……私物ってあるでしょ? そういうの入らないよ」

「持ってこなきゃよくない?」

「うーん、服とかもあるし入らないものじゃないからさ」

「そっか。そうだね。私も服だけでタンスの中たくさんだし」

「わかってくれたならいいよ。でも、2人で暮らす考えがないわけじゃないから安心してくれてもいいよ」

「そうなんだ。ありがとう」

「あっでも、材料を買いに行ってもいいかもしれないな」

「どうして? あるもので作ればいいんじゃない?」

「作り置きしておけば、君が食べるでしょ?」

「食べるけど、いいの? 大変じゃない?」

「家でもやってることだし、問題ないかな。それに何が好きで嫌いかを知っておいたほうが今後のためになるし」

「嫌いなものはピーマンだよ。苦くて嫌なの」

「じゃぁ、ピーマン買ってくるよ」

「どうしていじわるいうの!」

「嫌いなものを好きになってもらえればいいしね」

「……美味しくしてくれるならいいけど」

「じゃぁ行こっか」

「えっ私も行くの?」

「料理させるだけさせるって酷くない?」

「わ、わかったわよ。行ってあげる」

「はいはい」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

大雪警報 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る