第二章 恋する二輪の花

一歩一歩ずつ

第13話 気付いてほしい違い

そんなこんなの熱の有る様な夜中は過ぎていき。

美里と美幸は自室に戻って行った。

俺はそのままそれを確認してからスヤスヤと落ち着いて眠る。

すると翌朝になってから.....またとんでもない事が起きた。

それは.....この様な事態だ。


「.....!?.....!!!!?」


「スヤスヤ.....」


いつ来たのか分からないが。

俺の布団の中で美里がまるでハムスターの様に丸まって寝ていた。

優しい寝息をたてながらだが.....おいおいおいおい!?

その為に美里の柔らかそうな胸の谷間が見える。

また柔らかそうな唇といい。


かなりヤバいというか.....本能的に襲いたくなるがでもそれもOK的な感じで気持ちよさそうに眠っている。

俺は赤くなりながら戸惑っていたが。

ドギマギしながらも美里の頬に指を立てた。

それから押してみる。


それから、美里。おい美里、と声を掛けると美里は、むにゃ、と言いながらそのままゆっくり起き上がる。

そして俺を眠気まなこを擦りながら見てきた。

あー。おはよう。達也、とまるで自分の部屋の様に、だ。


その言葉に、何やってんだよ、と言いながら俺は美里をため息混じりに見る。

美里は、だって美幸だってこんなのやってたんでしょ?だったら私もやって良いよね、と言いつつ、にへら、とする。


ニコニコの太陽の様に、だ。

いちいち反応が可愛すぎるんだが。

このクソめ。


思いながら俺は見ていると。

ドアがノックされて大慌ての様子の美幸が入って来た。

俺にアワアワしながら、である。

何だ一体?


「大変!達也さん!お姉ちゃんがいな.....」


それから俺を、美里を見てから。

目をパチクリしてから頬を赤くする。

な。何しているの?、と。


すると美里は目をパチクリして平然とこう答えた。

何って達也とセック◯していたの、と.....。

ハァ!?この馬鹿は何言ってんだ!?

童貞への挑戦か!?


「何言ってんだコラ!美里!」


俺は真っ赤になりながら絶叫する。

美里は、あれ?違うっけ?、と、にへー、としながらすっとぼけた。

この野郎!!!!!

美幸が愕然としているんだが!

いい加減にしてくれ!


「美幸。違うからな。美里がすっとぼけているだけだからな!俺は無罪だ!」


「達也さんのエッチ.....心底から見損ないました」


「だから違うって言っているだろ.....本当に勘弁してくれ。美里が全てデマカセを言っている」


「.....でも私も頑張らないといけないのかな。その.....え、えっちな事で」


「そのとお.....は?」


俺は頷いていたが。

とんでもない言葉が聞こえた気がした。

真面目に聞いていれば何を言ってんですかね!?!?!

そして揉む様に胸を触り始める美幸。

それからチラチラ俺を見てくる。


「アッハッハ。まさにこれは3Pだね!これ」


「美里。お前もう何も喋るな。頼むから。女の子が言う言葉じゃ無い。エッチすぎる。しかもスイッチが美幸のスイッチが入ったらどうする気だよ!?」


「その時はその時でしょ?姉妹丼。ね?達也」


「いやだから.....あのな.....ハァ.....」


コイツという奴は.....。

共同生活でこれだけキツいのに更にのし掛かるこの有様。

俺は美里を美幸を見てから。


また盛大に溜息を吐いた。

本気で勘弁して下さい.....。

そう思いながら、だ。



「も、もう。にしてもお姉ちゃんも達也さんもえっち.....」


「いや.....俺、被害者なんだけど.....」


「被害者じゃないよ?しっかり全部をしたじゃない。達也」


美里.....お前という奴は。

いい加減に冤罪掛けるの止めてくれ。

俺は完璧に無罪だっ!

そうしながら言い合っていると。


美幸が、そ。それはそうと、とモジモジし始めた。

俺は?を浮かべながら美幸を見る。

美幸は俺をチラチラ見てから。

モジモジしながら唇を少しだけ噛んでいる。

そして赤くなりながら指で髪の毛にサワサワ的な感じで触れる。


何かに気が付いてほしい。

そんな感じで、だ。

そのお陰で俺はそれを見つけた。

それから口角を少しだけ上げて柔和になる。


「そういえば桃の模様の髪留めが似合っているな。彩り豊かになったな」


「え、エヘヘ。気付いてくれて有難う御座います。達也さん。嬉しいです」


そんな感じで会話していると。

美里が、ムッ、とした。

それから俺を見つめてくる。

頬を膨らませながら。


「ム!それなら私もだよ。達也」


「は?え?」


よく見れば。

頭にカチューシャを着けていた。

髪に隠れていて見えなかったが、である。


俺は目を丸くする。

それから見る。

美里は嫉妬していた。

プクッと頬を膨らませ、だ。


「敢えてスルーしていたよね。許し難いなぁ」

 

「してないって。それ女の子にとっては最悪のパターンだろ」


「嘘ー。絶対スルーしてましたーーー」

 

いやはや.....面倒臭い。

考えながら苦笑いを浮かべていると。

背後で、ドスン、と何か物が落ちる音がした。

よく見れば仁が俺に顎を落として愕然と向いている。


有り得ない有り得ない有り得ない、と念仏の様に呟きながら、だ。

それから悔し涙?を浮かべてから乙女が坂を下る様に走って行った。

ヨタヨタしながら、である。

あの馬鹿、何を勘違いしている!?


「仁を止めないといけない!」


「アハハ。相変わらずだね。仁くん」


能天気か!

そんな事を言っている場合ではない!

俺は大慌てで仁を追おうとした。

すると美幸が聞いてくる。


「達也さんのお友達ですか?」


「.....まあ取り敢えずはな。.....ヤバいな。またデタラメ言われたら最悪だわこれ」


俺は美幸と美里に向いてから。

すまんが先に行く。美幸は学校頑張ってな、と駆け出して行く。

仁のアホを止めなくては!


今直ぐにでも止めなくてはいけない!

またデタラメ噂を広められてはたまったものではない!

思いながら走ると仁を見つけた。

そしてそんな仁に大声を出す。


「仁!おいコラ!今直ぐに止まれぇ!」


「裏切り者!!!!!童貞捨て野郎!クソバカ!死ねぇ!」


何を言いふらしてんだァ!!!!!

誤解だっつってんだろうがぁ!!!!!

ああクソ!面倒臭い!!!!!

俺は何をしているんだ!?


何を誤解してやがる!

いやまあ半ばは誤解ではないけどよ!

あの馬鹿を止めなくては!

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