第12話 貴方は強いから.....恋のライバルとしてね。

遂に美里とキスをしてしまった。

何やってんだろうな俺。

全くデートとかしてない癖にアホすぎる。

俺は悶えながらベッドでゴロゴロする。

夜中に、だ。


あまりの事に眠れなさすぎるのだが。

そしていい匂いがした。

美里の唇が、だ。

俺は真っ赤に染まりながら.....悶える。

すると.....ドアが軋む音がした。


「.....?.....え」


美幸が寝ぼけている様な感じで入って来る。

俺は目をパチクリしながらその様子を観察していた。

すると.....美幸は何を思ったのか俺のベッドにもぐりこんで来た.....ちょ!

俺は大慌てで美幸を見る。


胸も薄暗いがラインがしっかり見えるし!?

何やってんのコイツ!?

夢遊病なのか!?

明らかに意識は無い様に見える!


「スースー」


「.....オイオイ.....何だってこんな事に.....」


勘弁してくれ.....。

これが美里だったらまだしも。

と思いながら居ると。

その美幸は俺に縋ってきた。

マジかコイツ!?


「むにゃ.....」


ちょっと待て!

これ絶対にヤバイ!

相当に良い香りがするし!

絶対に超えちゃいけないラインを越えてしまう!

いけない!絶対にいけない!!!!!

まさぐるな!序でに言うなら!


「エヘヘ.....達也.....さん。むにゃ.....」


「.....!」


その言葉に。

俺は目を丸くする。

そして.....髪の毛を揺らしながら美少女はスヤスヤ眠.....っていたのだが。

目を覚まして俺を見上げてきた。


何故かというと体温が気になった様だ。

俺の、である。

こんなに熱い訳が無いと目を覚ました様だった。

愕然としながら俺は見つめる。


「おっは」


「.....た、え!?へ!?」


「.....だ、大丈夫か」


「きやあああ!!!!!」


殴られた。

序でに俺はベッドから落ちる。

そしてガバット起き上がる。


ちょっと待てコラ!何すんだ!ここは俺の部屋だ!と文句を言った。

胸元を隠しながら居る美幸は、え?、と目をパチクリする。

それから周りを見渡す。

そしてカァッと真っ赤になっていった。


「.....ここ達也さんの部屋ですか!?あ!確かに.....」


「お前が寝ぼけて入って来たんだぞ!いい加減にしろ!」


「.....誘拐した訳じゃないですよね」


「そんな訳あるかァ!」


とんだ冤罪だよ馬鹿野郎!!!!!

俺は文句を言いながら頭をボリボリ掻く。

それから自室に戻れるか?、と尋ねたが。

美里は唇を噛んだまま動かない。

そして俺を紅潮しながら見てくる。


「.....その。.....今は二人きりですよね」


「.....まあそうだな。.....それがどうした?」


「.....こ、これってちゃんすですかね?」


「.....知らんがな.....」


チャンスって何だ。

俺は真っ赤になりながら美幸を見る。

そうしていると.....美幸は唇をもう一度噛んだ。


それから.....ベッドを降りる。

我慢はしていました。

でも.....私はやはり達也さんが好きみたいです.....から!、と近付いて来る。

そ、それは有難いけど.....近付いて来ているのだが。

俺は赤くなりながら.....美幸を見る。


「.....美幸.....ちょっと待て。何をする気だ」


「.....何もしません。.....何もしないです」


「.....お、おう。それ信じて良いか?」


「信じるか信じないかは貴方次第です.....」


「絶対に駄目だろそれ!!!!!」


段々近付いて来る美幸。

それから俺の傍に腰掛ける。

目の前に、だ。

それから.....俺を涙目で見上げてきた。

私はどうしたら良いのでしょうか?、と尋ねてくる。


「私は達也さんが好きです。.....我慢していました。でも.....達也さんが好きです。.....私はどうしたら良いと思いますか。この先.....」


「.....!.....美幸.....」


「.....私は困っています。達也さんが好きだから。.....私が困っています。本当にどうしたら良いでしょうか。.....恋ってこんなに.....滅茶苦茶に苦しいんですね.....」


「.....」


美幸は胸に手を添える。

それから涙を流し始める。

俺は.....その姿に眉を顰める。

俺はどう答えたら良いのだろうかこの子に、と。

そう考えてしまう。


「.....美幸。.....まだチャンスはある」


「.....え?」


「.....これからだよ。.....きっと、うん」


「.....でも達也さんはお姉ちゃんが好きですよね。.....私.....」


「.....お前の気持ちも汲む。.....俺は美里が好きだけど.....結婚した訳じゃないから。.....何かを掴むチャンスはまだあると思う」


それから美幸をにこやかに見ていると。

ドアがいきなり、キィ、と開いた。

それから俺達を美里が見てくる。

美幸は愕然として真っ青になりながら、え?、と声を発する。

俺は、み。美里!!!!?、と同じ様に青ざめる。


「.....話を聞いたよ。.....美幸。.....達也の事が好きなの?」


「.....そ、そうだけど.....ご、御免なさい.....」


「.....」


暫く考える様に俺達を見てきた美里。

それから.....数秒後に静かに笑みを浮かべた。

そして.....美幸の頭を撫でる美里。

俺はその姿に驚く。

え?、と思って、だ。


「有難う。素直に話してくれて。たまたまトイレに行ったら.....話が聞こえたから.....だったけど。盗み聞きでゴメンなさい」


「.....お姉ちゃん?」


「.....私は貴方とはライバルだね。美幸」


「え.....それで良いのか?美里.....!?」


「.....じゃあどうするの?それ以外に解決法があるの?多分.....無いよ」


いや無いけど。

しかし.....本当にそれで良いのか?

俺は美里しか向いてないし。

キスまでしたんだぞ.....!?!?!

美幸の気持ちを考えてあげたほうが.....。


「これで良いかな。達也」


「.....いや。俺は別に構わないが.....うん。.....気にしてないが.....でも美幸が小馬鹿にされている様な感じじゃ.....」


「大丈夫。.....美幸は強いよ。.....小馬鹿にされているとは思わないよ。芯が強い子でもあるから」


「.....そうです。達也さん」


興奮気味に拳を作ってから俺を見てくる美幸。

勝利は見えているのに。

これで良いのか?、と思う俺。


すると、じゃあ手を繋いだ証として.....今の状況をつり合わせる為には先ずはキスしてみようか、とニコッとするみさ.....は?、と次の瞬間。

俺の頭を掴んでそのまま目の前に居る美幸に勢い良くキスさせた。

油断していた美幸は、かあああっ、と赤くなっていく。

それから目を回し始めた。


「ちょ。ふえぇ!!!!?.....おね.....え.....ちゃん!?.....何するの!!!!?」


「だって私と対等にしないとね。アハハ。そうでしょ?美幸は私のライバルなんだから」


まさかのいきなりの事象に真っ赤になる俺達。

それから.....静かに俯く。

何という事をするんだコイツ!?

しかも、それからエッチな事を.....、とハァハァと美里は興奮し始めた。

いい加減にせえ!!!!?、と絶叫する。

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