第8話

「むぐっ」


このとても食べれそうとは言えない色の肉をユノは咀嚼する。

咀嚼をしていると段々不味さが増してくる。

それでも吐き出すことなくユノは飲み込めるようになるまで咀嚼する。


右上に字が書かれているのにユノは気が付いた。それには


鼠毒(50)食中毒(50)


と書かれていた。


「ごっくん。はぁ!不味い!でも中々に未知な体験だった!」


ステータスをみるとHPが1秒に2のペースで減っていっていたのでユノは近くにある回復の水が溜まっている泉に顔を突っ込み、がぶがぶと飲んでいく。


こっちも不味い!

それでもHPは全回復していた。

更に毛皮の裏に付いている肉も直接かぶりつく。その肉も食べたユノは地面に座る。


ピコン


「毛皮の処理と満腹度の回復で一石二鳥じゃん!毒(5)食中毒(5)ももれなくついてきてるけど!……ん?」


≪称号『サバイバル初心者』、『ゲテモノ食い・1』『毒を食らわば鉄の胃を以て仰止する・1』『毒を以て毒で制す・1』を獲得しました≫


「え、なんか変なの来た」

ステータスの称号欄にあるこれらの称号を更に鑑定する。

△△△△

《サバイバル初心者》

効果なし

条件 火を通していないものを初めて口に入れ、胃に入れる。


生肉を食すのもサバイバルでは強いられることもある

▽▽▽▽


△△△△


『ゲテモノ食い・1』


効果 不味いと判断される食べ物の味が良くなる(微小)

条件 本来食べるべきではない食べ物を一定量以上食べる


普通でない食べ物も案外行けるものだ。

火に通していない肉?ああ、少しくさみがあるけど食べてしまえばクセになるやつだな

▽▽▽▽▽


△△△△△

『毒を食らわば鉄の胃を以て仰止する・1』


効果 胃に入れた食べ物の毒の効果が弱まる(微小)食中毒が弱まる(微小)

条件 有毒な食べ物を一定量以上食べる


毒がある?我の鉄の胃を以て制すとしよう(笑)※この称号は『鉄の胃袋』と『毒を食らわば皿まで』が統合されたものです

▽▽▽▽▽

△△△△△

『毒を以て毒で制す』

効果 呪いを用いての毒の強化(微小)

条件 呪いを用いた毒での敵の撃破


毒も立派な武器だ

▽▽▽▽▽

「うーん、表示はしないでおこう」


効果は悪くない。

1つ変なのがあったが。ギャグ称号だろうか。


そして初心者とか1とか付いているので上位称号もあるのだろう。

微小であっても効果があるのは確認した。


他プレイヤーに見せるなら格好いい『■■■の落とし子』にしておくが。


「さて、折角頑張ったし、骨や皮で色々とつくろうか」


毒噛みネズミの解体によって得られた物は色々とあった。


得られるものはまだある。

ユノは毒噛みネズミの毛皮を手に取ると、ゲームでは初めての加工を始めた。


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