第7話検証

「見つけたぞ!」


5分程歩き回っていると、紫色の霧を発見した。すかさずユノは鑑定する。


目視できるようになったことでユノはネズミに攻撃を仕掛ける。

但し蜂の針でだ。


もはやパターン化して来たネズミが突進してきた時に大きくジャンプし、そこからネズミを攻撃するというものを、チクチクチクチク針で攻撃し、10分程粘っているとその時が来た。


「ヂュ、ヂュアァァ」


HPが尽きたのかネズミは倒れる。

ユノは最悪、生きたまま皮を剥ごうとしていたが、ネズミは塵にはならずにその場に留まっていた。


罠かもとも思い、指先で触ってみるが、爆発することも無く無事だ。

そして、傷をつけたりして戦ったので、ネズミの血が床にある。


その紫と緑色の間と言える血を鑑定する。


△△△△△△

毒隠れネズミの血

レベル 1

耐久度 33/100

呪侵食率 75/100

異形度 ─


毒隠れネズミの血

▽▽▽▽▽▽


「耐久度が凄い勢いで減っていって、0になると消滅。異形度が無い。呪浸食率とやらは急上昇中か」


やっぱり呪われていないので、周囲の呪いを吸い込んで風化すると見た方が良さそうだ。


ユノが見ていた毒噛みネズミの血はそのまま耐久度が0になって塵に還り、鑑定できない状態になった。 


「ふんぬっ……よしっ!」


 毒噛みネズミの死体を回収することに成功した私は、セーフティーエリアまで死体を運んでから解体作業に移ることにした。


 理由は単純で、あの場でそのまま作業をしていると、ほかのオフィスから毒噛みネズミがやってきそうな気配がしたからだ。


 なお、鉄筋付きコンクリ塊もきちんと回収はしてある。




「さて、今の状態は……」


 私は毒噛みネズミの死体に向けて『鑑定のルーペ』を用いる。






△△△△△


毒噛みネズミの死体


レベル:1


耐久度:65/100

浸食率 100/100

異形度1


毒噛みネズミの死体。

適切に処理する事で様々な素材を得る事が出来る。

全身に呪詛による毒が回っており、このままの状態で口に入れると、毒が体に回るかもしれない。

▽▽▽▽▽


「耐久度の自然減少は起きていない。若干減っているのは所々で担いで移動している最中、壁にぶつけ、皮が傷ついたとかだろう。んー、引き摺った覚えがない場所で傷ついているところもあるし、毒が回っていない場所は普通に風化したのか……?」


先程鑑定した、ネズミの血とは違い耐久度は自然に減少しない。

死体をよく見てみると、爪の先や尻尾の先、皮の一部や筋肉に欠けがあるような感じがする。


「えー……呪浸食率が100になると完全に呪われて、この場に満ちている風化させる呪いの影響を受けなくなる。曖昧な部分は多いな……とりあえず呪いを利用して敵を殺せば、風化させずに済む。という認識でいいのかな」


まあ、呪侵食率だけを上昇させる呪いが存在してたらそれが1番良いと思うが。

そんな都合の良い呪いが存在してるとは思わないけど。


「ほんじゃ、解体していくか!」



ユノは毒隠れネズミの背中にある傷口に手剣生成で生成した手剣を差し込む。


そして、ナイフのように前歯を使う事で、毒噛みネズミの体を開く。

ナイフのように使う事で、毒噛みネズミの体を開く。これも慣れたものだ。


「うっ、思い出しただけで吐き気がする……あっ、成程。呪いが足りないとこういうふうになると」


少し吐き気を覚えていた時、毒隠れネズミから内臓を主とした一部のパーツが風化して消え去っていく。


1部は塵になったが当然肉も手に入った。


「食べるか。いっただきまーす!」




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る