第5話ファーストバトル1

ということでログインです。

リアルでの雑用を済ませてまたログインする。


「さて、あいつ倒すか?いやでも武器がないしな……あっ!『手剣生成』があるじゃないか!なんであの時使わなかったんだ……まあいっか。どうせ死んでたし」


前の戦闘を頭の中で再生し、勝ちまでのピジョンを思い浮かべる。


「てか、デスペナなく手軽に死ねるってやばいな」


幸いかは分からないがATDにはデスペナルティーが無い。

勿論、一定レベル以下までやゲーム開始から何時間などという制限付きではなく、本当にペナルティがない。


他の世界では分からないが、呪界は難易度や仕様、世界観だと、デスペナで緊張感を創り出すより、どんどん行ってどんどん死ぬ方がより楽しいだろう。


脳がやられたり、心臓突かれたりなど急所に攻撃を喰らえば、HP関係なく死ぬこともあるのでペナルティが軽いのはとてもありがたい。


「とりあえず、武器は良いとして防具が欲しいかな。これじゃ攻撃を掠っても致命打になりかねんからな。んーこれも呪いで補えるかな…」


自分を鑑定して確かめる。

『脚部硬質化』『筋肉縮膨張』 が防御に使える気がした。

『肌黒』は分からないが。


この呪いはある程度までは念じることで使用出来るらしい。

試しに足よ固くなれ〜固くなれ〜鉄のように固くなれ〜と念じてみる。


すると右足が鉄とまでは行かずとも石以上位には硬くなった。

これではあの蜂の攻撃を止めることは不可能なのでこれは練習が必要。


次に『筋肉縮膨張』だ。

これは筋肉が風船のように膨らみ、ル〇ィのように堅い筋肉をイメージして念じた。

結果は微妙なものになった。

とりあえず膨張はした。終わり。


PSは兎も角武器は手に入った。

もう1回挑んでみようか。


ユノは先程と同じ道を通り、あいつに殺された部屋にやって来た。

もう一度シュミレーションし、一息ついて部屋に入る。


奇襲に備え構える。

ユノは周りを見渡し、空間の歪みを探す。


「いた!鑑定!」


ユノは空間の歪みを見つけ、鑑定する。


△△△△△△△

急所突き蜂 レベル8

HP 3000/3000

▽▽▽▽▽▽▽


「前と同じ……なのかな」


鑑定は立派な攻撃行為なので、当然ヘイトはこちらに向く。

ユノは鑑定内容を確認し、視認できるようになった青黒い蜂に突進していく。


が、それは避けられ、蜂は透明になっていく。そして、消えた蜂を探していると、ユノの足元の空間が歪んだ。


「うぉっ!危ねぇな!」


ユノは咄嗟にジャンプし、空間の歪みから突き出た針を避ける。

そのまま落下を利用し、また消えかかっているところを、針に向かって思いっ切り上から攻撃する。


攻撃は見事針に直撃し、針がバキッと折れる。


「よっしゃ!針さえ折ればこっちのもんだ!」


針を折られたことで視認できるようになっていた蜂に、『手剣生成』で肘から手先にかけて剣を生成する。


その剣で蜂の首を狙い、横に一閃。

その剣は蜂の首を捉え、蜂の首は切断される。


《レベルが1から2へとレベルアップしました》


世界の声で終戦が知らされた。


「よっしゃぁぉぁ!勝ったぞぉぉ!!」


ユノは高ぶる気持ちを抑え、蜂の残骸を拾う──筈が、蜂の残骸は塵になり、1部だけが残った。


それを鑑定する。


△△△△△△△△

急所突き蜂の針


レベル 1

耐久度 100/100

呪侵食率 100/100

異形度 5


急所突き蜂の細剣のように鋭く大きい針。その針は人を軽々と貫く。

周囲の呪詛を利用し、傷つけた者に毒を注ぎ込む。


毒 1×周囲の呪詛濃度のダメージ

▽▽▽▽▽▽▽▽


「へぇ、面白い。何かに使えそうだね」

改めて針を見る。

大きさはユノが丁度片手で持てることができる程度で人を軽々と貫けるほど尖っている。

それに傷つけた相手に毒を注ぎ込むことができるという効果。


「天然の毒ナイフどころか、天然の毒剣だな」使い勝手も良さそう。


素の性能では『手剣生成』で生成した物が高いので、現時点ではまだ使わない。


「何個か欲しいな。うーん袋あるかなー?」


周りを見渡すが、工夫すれば袋になりそうな者はあるが袋自体はないと思う。


「帰るか」


ユノはセーフティーハウスに戻り、帰る道中に考えていた、袋を作るために考えていたことが実行可能か検証?。


「よし、目標は袋3個だ」


できると思ったユノは、できるだけ群れに遭遇しないように気を付けつつ、必要な物を探し始めた。

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