46 半生

@yuntanzap

第1話 はじまりのはじまり

「とりあえず下着姿になってください」


手慣れた様子で脱いだ服を隈無くチェックする。


「あっ、ネックレスとか身につけているのは全部取って」

「この袋、これに入れたら?」




時計を袋に入れたとき、ふと時間が気になった。何時だっただろう..。

家を出たのが夜の九時過ぎだったから、もう十一時くらいなのかな。



「終わった?じゃ向こうむいて。   あれ?  これ何?」

「入れ墨かなぁ..」

メモを取る一人と体をチェックする一人


「入れ墨です。凡字の  」


静かな場所に自分の声が響いた



「なんて書いてるの?風?」


「サク。凡字でサク。自分の干支がこの凡字で。。」


凡字をスケッチする女性。








身体チェックは終わり、預ける服やアクセサリーについて

色々説明をするが頭に入ってこない。



「わかりましたか?今日はもう寝てください。また明日」


「あっ、はぃ」


「それと私たちは担当さんと呼んでください。あなたは..   」


そう言って履かされた便所ぞうりに書かれてあった数字をよんだ

「四十六。あなたを四十六と呼びます。また明日」




言われるがままに扉の中に入れさせられる。


六畳ほどの部屋に私以外の女性が五名。

もうすでに寝ているのか横になっている。




四十六

私は犯罪者なんだろうか..

静かな留置場で大きなため息がもれた


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