君だけ知ってるノンフィクション

ひのはら

第1話

 

 ステージは眩いスポットライトで照らされて、会場全体が色鮮やかに彩られている。


 ファンの人たちの手にはサイリウムが握られていて、それぞれ応援するメンバーカラーで光り輝いていた。


 5色のメンバーカラーから、自分の色を見つける瞬間。

 

 この場所から見る景色が、五十鈴いすず千穂ちほは堪らなく好きだった。


 5人組アイドルグループ『ラブミル』のセンターとして、真ん中でファンの人からの歓声を浴びる。


 14歳からアイドル活動を始めてはや三年。


 デビュー当時に比べたら考えられないほど大きなステージで、仲間と共に汗水流しながらパフォーマンスを送ることが出来ているのだ。


 『みんなー!今日はありがとう!』


 ダブルアンコールを終えて、深々と頭を下げる。

 ゆっくりと幕が降りたのを確認して、千穂はそっと顔を上げた。


 「南ちゃん、今日も可愛かったー!」


 向こう側から、ファンと思わしき男性の声が耳を掠める。


 芸能活動をする上で、千穂は南という芸名を使って活動している。


 小柄で華奢な骨格。しかし身長は平均以上あるため、それなりにスタイルも良い。


 歌とダンスも申し分ないと、五十鈴南はアイドルとしてファンの人から愛されているのだ。


 子役時代を経て、今ではアイドルというポジションで多くの人に支持される芸能生活を送っていた。






 

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