真実

夜になり。どこかの家の前で馬車から降ろされた。


大きくて立派な家でした・・・。


「ムーア先生、私の家に帰りたいです」


「それは無理なお願いだ。君の部屋に案内するからね」


お姫様抱っこされ部屋のソファーに座らされました。


「さてと・・・昔話でもしようか。シャロンと出逢ったのは俺が16歳のときでシャロンは5歳のときだった」


私が5歳のときに会ったことあるの?


覚えていないです。


「俺達は婚約者候補として出逢ったんだ。シャーロットも俺に懐いてくれてたし婚約出来るものと思っていた。なのにライアンと婚約するなんて・・・」


「私、ムーア先生と会ったことないと思うのですが・・・?」


「いや、逢っているよ。リバーと言えばわかるかな?」


リバー?


リバーと聞いて幼い頃の記憶が頭の中に流れてきた・・・。



「リバー大好き♪おおきくなったらシャロンと結婚してね」


「僕もシャロンが大好きだよ。大きくなったら結婚しよう。約束だ」


全部思い出したわ。


リバーと結婚の約束をしたことも・・・。


あんなに大好きだったのに

なんで忘れていたの・・・。


リバーは隣国のハールン国出身で

ベルク国に2年間留学していたときに出逢った。


「リバー、ごめんなさい・・・全部思い出したわ。なぜ忘れていたのかしら・・・」


私は泣いていた。


「シャロン泣かないで。泣かせたい訳じゃないんだ。怖い思いさせてごめん」


優しくギュッと抱きしめられ

私はリバーの背中に手を回した・・・。


「8歳のときに階段から落ちて1週間意識がなかったことあるの。もしかしたら、それで忘れてしまったのかもしれない」


「そうか・・・。留学終わってから4年間忙しくて来れなかった俺も悪いと思ってる。忘れられてるとは思わなかったんだ。俺は今でもシャロンが好きだ。俺と結婚して欲しい」


「私はライアン様と婚約しているの。ごめんなさい」


「婚約してなかったらよかったのか?シャロンの気持ちが知りたい」



前世の記憶が戻ったときに

リバーのことも思い出せてたらよかったのに。


乙女ゲーム本編の

ムーア先生ルートでもこんなエピソードはなかったのに乙女ゲームとこんなに違うなんて・・・。

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